今月の家賃が払えない! どうすればいい?

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してはいけない家賃の滞納ですが、どうしても今月は払えない……、というとき、いったいどうなるのでしょうか。

すぐに退去しなければならないのでしょうか。

「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者の穂積啓子氏にお話を伺いました。

■「〜なので、○日までに支払います」と、理由と期日を事前に連絡する――家賃を滞納したらどうなるのでしょうか。

穂積さん:家賃は契約書に記載される通り、支払い日が決められており、その日から1日でも遅れると滞納と扱われます。

「家賃の振込日を過ぎた」、「引き落とし日に残金がなかった」、「家賃を家主に持っていくのを忘れた」などの理由で家賃を滞納した場合、数日後に電話もしくは手紙でお知らせが届きます。

うっかり支払日を忘れていた場合は、すぐに振り込みましょう。

Aさん(26歳・会社員・女性)の例ですが、家賃支払いが1週間遅れていた時点で、催促の文書をポストに入れました。

それでも振り込みも連絡もないため、10日が経ったころには自宅と携帯電話に連絡をしますがいずれも留守電で、やはり送金も返答もありません。

このあたりで我々管理会社としては、「何かあったのか、支払う意志がないのでは?」と予想します。

そこで、自宅を時間を変えて何度か訪問しましたが、応答はありません。

仕方なく勤務先に電話を入れたところ、2カ月前に退職されたということが分かりました。

こうなると、「部屋で変死!?」という可能性も考えなくてはなりません。

玄関ポストや部屋の電気メーターを確認したりと様子をうかがいながら、連帯保証人のお母様に連絡をとりました。

かなり慌てるお母さんですが、その1時間後にお母様から連絡があり、「仕事をやめて貯金も使い果たし、家賃が払えなくなって食事もろくにしないで引きこもっている」とのことでした。

翌日、お母様が滞納分と翌月の家賃を支払われ、数日後に退去して実家へ連れて帰られました。

誰にも相談しないことで結局は退去になるという、辛いケースです。

このように、なかなか入金が確認されない、連絡がとれないとき、家主や管理会社の社員が自宅や職場を訪問する、また、連帯保証人に連絡をすることになります。

本人が払わない場合は、その連帯保証人に支払ってもらうことになります。

――家賃を払えないかもと思ったとき、どのようにすればよいでしょうか。

穂積さん:滞納にならないよう、早め早めに保証人や身内に相談することが肝心です。

1カ月分の家賃を払えない人が、後から2カ月分、3カ月分をまとめて自分で払うことは大変に難しいものです。

不可能と思ってもよいでしょう。

転職した、入院したのですぐ振り込みに行けない……など、一時的な理由がある場合は、「〜なので、期日までに家賃が払えない。

○日までに入金します」と、できるだけ早く家主か管理会社に連絡をしましょう。

放っておくと悪意ととられます。

自分の収入で1カ月でも家賃支払いが難しいと予感したときはを払えない事態になったときは、Aさんのように実家に帰るとか、収入に見合った部屋に引越するとか、自分の給料や生活に合った、毎月きちんと支払える部屋へ、早めの出直し移転をお勧めします。

若いうちは不動産の現場では、こういう事態になっても、「もしかしたら来月は払えるかも」と安易な試算をしてしまう人が増えているように思いますことがあります。

迷っている間にも月日は過ぎ、いざ引っ越すと決めたときには予想外の滞納額になっていて、引越費用も加えて支払いがたまって大きな借金をしてしまう人も多いのです。

家賃の滞納は自分の信用を自ら落としてしまう行為です。

部屋を探すときは背伸びせず、身の丈にあったにあたっては重々に予算賃料のを試算し、無理なく支払える部屋を探すようにしましょう。

――ありがとうございました。

家賃を払えないかもと思った場合は逃げたり無視したりせず、家主か管理会社にすぐに事情を説明するべきということです。

そういう場面が来ないよう、生活に根差した金銭感覚を日ごろから磨くことこそが大切だ、と思い知らされる話でした。

監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。

宅地建物取引主任者。

その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た! 〜部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子 東京書籍 1,155円)に描かれました。

同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。

(岩田なつき/ユンブル)

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