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仏食品大手ダノンによるヤクルト本社株の買い増し問題が再燃しそうだ。ヤクルトは株式の買い増し提案を拒否する構えを崩さず、敵対的買収に進展する可能性がある。

「企業価値向上のため、自主独立でなければならない」。ダノンによる出資拡大に対して、ヤクルトの根岸孝成社長が株主総会できっぱりと「ノー」の姿勢を示したのが今年6月。その後は表面上、両社の関係に目立った変化はない。

ただ、出資比率引き上げを巡るダノンとヤクルトの交渉は11月が期限とみられる。期限内は両社の合意がなければダノンによるヤクルト株の追加取得はない。このため、今のところダノンの株式保有比率は20%で固まっているだけである。

だが、出資交渉決裂となればダノンが買い増しを控える理由はない。外資系証券の投資銀行業務担当者は「ダノンが敵対的買収を計画しているとすれば、すでに他名義で株式を取得し、いつでもダノン名義に書き換えられる態勢を築いているはず」と指摘する。

ヤクルトの株価チャートを見ると、年初から週足でも月足でも右肩上がりのトレンドを描いている。好調な業績が株高の裏付けとなってはいるが、相場全体が下落している局面でも、継続して買いが入っているのも確かである。

ダノンが敵対的買収に出るとすれば、保有比率33%が1つの関門。この水準を超えれば、社長人事など株主総会での承認に必要な「重要案件」を拒否できる。

ヤクルト本社からは、いまのところ「対ダノン」戦略についての公式なアナウンスはない。ヤクルトの浮動株は3月末で7.8%と少ない。株式争奪戦が本格化すれば、少ない浮動株を巡って買いが買いを呼ぶ可能性がある。投資ファンドと違い、経営権取得が目的となれば、ダノンが簡単にあきらめることはないだろう。

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この記事は「WEBネットマネー2012年12月号」に掲載されたものです。