なぜ、カンペキに仕上げた報告書は嫌われるのか

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■タスクごとに分割するか、ロットを縮小するか

一区切りついたプロジェクトについて、上司から報告書の作成を頼まれました。記録的な意味合いが強い報告書なので、全体で50ページほどのボリュームになりそうです。

このようなとき、あなたは最後までカンペキに仕上げてから、報告書を提出するでしょうか。それとも数ページ書くごとに順次、送るでしょうか。

じつは最後まで書き上げてから提出するのは、賢い時間の使い方ではありません。提出されるまで上司は報告書の中身をチェックできず、待ち時間が発生するからです。

さらに上司のほうも報告書にすべて目を通してから修正の指示を出すようだと、こんどは部下の側にも待ち時間が発生します。お互いにこうしたやりとりを繰り返せば、その分だけムダな時間は膨らんで、リードタイム(作業着手から納品までの期間)が延びていきます。

私が部下の立場なら、10ページ書くごとに上司に送ります。そうすると私が次の10ページを書く間に、上司は先に送った10ページをチェックして修正などの指示を出すことが可能になります。このように仕事を細分化すれば、お互いの待ち時間が減り、結果的にリードタイムの短縮につながります。

このとき、仕事の細分化には、2通りのやり方があります。タスクごとに分割するか、ロットを縮小するかのどちらかです。

タスクごとの分割とは、「報告書の目次をつくれ」、「本文の下書きができたら提出を」というように工程を細かくするコトです。ロットの縮小とは、「5ページごとに提出を」というように作業単位を小さくしてやりとりするコトです。

どちらにしても細かくすれば相手の待ち時間が減り、全体のスピードアップにつながります。もちろん、細かすぎてもいけません。一定の作業量単位より小さくすることは、逆効果にもなります。相手とのコミュケーションをしっかりしておくコトも大切です。

■既決ボックスを撲滅する

マネジメント職の机の上によく置いてある「未決ボックス」と「既決ボックス」にも、じつは大きなムダが隠れています。

決裁を経た書類を既決ボックスに溜めると、指示のロットが大きくなります。もともと「Aをやってほしい」で済むのに、「AとB、Cをやって」とまとめて指示するようになり、相手に待ち時間を発生させてしまうのです。

タスクを分割したりロットを縮小しても、相手に投げ返すところで流れを止めると結局は待ち時間が発生して全体のスピードが鈍ります。

理想をいえば、既決ボックスには書類が1枚もないほうがいい。決裁したら、すぐに部下に回す。それでこそ仕事の細分化は効果を発揮します。

すぐボールを投げ返したほうがいいのは、どのような関係でも同じです。チームで仕事をするときに誰か1人でも反応が遅い人がいると、そこがボトルネックになって流れが止まります。

チームプレイにおいては、誰かからボールを渡されたら24時間以内に反応するワンデー・レスポンスが基本です。作業そのものは終わらなくてもかまいません。「あと2日かかります」と返すだけでも相手は安心します。

(※『ビジネススキル・イノベーション』第2章 時間と感情のロスを減らす(プレジデント社刊)より)

(横田尚哉)