今年も残すところ、あと2か月。そろそろ、冬のボーナスシーズンを見据えた金融商品のキャンペーンが、様々な金融機関から発表される時期だ。しかし今年は、国内の超低金利状態がいっそう進んだことで、これまでは「おおっ」と思わせてくれるようなキャンペーンはあまり見られなかった。ところが、ここにきて久々にお得感の高いキャンペーンが登場している。そのひとつが、住信SBIネット銀行の『口座開設キャンペーン』だ。開業5周年の記念キャンペーンということで、気合いが入っているように感じる。

 内容は、同行に新規に口座を開設し、6か月物か1年物の円定期預金に30万円以上を預け入れると、3000円の現金がもらえるというものだ。現在、同行の1年物円定期預金の金利は、預入金額100万円未満の場合、0.20%となっている。例えば、30万円を預けると、3000円は30万円の1%に相当するため、円定期預金金利0.2%+1.0%=1.2%と換算することができるのだ(すべて税引き前金利。以下同じ)。さらに、6か月物円定期預金であれば、30万円の預金額に対し、半年分の利息が3000円付くため、金利に換算すると2%に相当する。したがって、預金金利を加えた利回りは2.2%となる(※ただし、これは6か月間に適用される金利換算であり、1年間適用されるわけではないので注意が必要)。

■意外と手軽な住信SBIネット銀行の『口座開設キャンペーン』

 上記の計算は、あくまで預入金額30万円でもらえる現金を金利に換算した場合のもの。預金額が増えると、金利は低下する。預入金額が60万円であれば、3000円の1年物円定期預金の金利相当分は0.5%になる。同様に、6か月物円定期預金であれば1%となる。つまり、実質的な利回りだけを比べると、30万円を6か月物に預けることが、このキャンペーンで最も有利となるといえる。ただし、利用できるのは住信SBIネット銀行にこれまで口座を作ったことがなく、初めて口座開設をする人だけ。同行のサイトには、参加資格として「2012年10月12日以降に住信SBIネット銀行の代表口座を開設すること」とあり、気になったので「代表口座」の意味を問い合わせてみた。すると、特別な意味はなく、通常の口座と同じに考えてよいとのことだった。キャンペーンの期間は12月9日まで。円定期預金を中途解約してしまうと、特典は受けられない。そして、3000円がもらえる時期は13年3月末頃の予定となっている。いずれにしても、最近ではなかなかお目にかかれない、インパクトのあるキャンペーンだといえるだろう。

■もう少し大きな額ならオリックス銀行『eダイレクト預金』かみずほ信託銀行『貯蓄の達人』

 もしも、大きな資金を預けるのであれば、注意が必要だ。現在、ネット系銀行の定期預金では、0.3%を提示しているところもあるからだ。オリックス銀行の『eダイレクト預金』は、1年物で0.3%。300万円預けた場合、利息は9000円となり、住信SBIネット銀行のキャンペーン(1年物)に預けたときの利息分とほぼ変わらなくなる。300万円を超えて1年間預ける場合は、オリックス銀行の『eダイレクト預金』のほうが有利になる。

 さらに、もっと多く預けるお金がある場合は、みずほ信託銀行の『貯蓄の達人』も有力な選択肢になるだろう。こちらは、1000万円以上なら2年物で0.40%となっており、『eダイレクト預金』の1000万円以上の2年物の0.35%を上回っている。『貯蓄の達人』は、信託銀行の金銭信託という金融商品で、預貯金とは違って利回りも予定配当率ではあるが、これまでの実績を考慮するとほぼ期待できる金利となっている(※金銭信託については、別の機会に詳しく説明したい)。

 今後、まだいろいろなキャンペーンが実施されるはず。預入金額、期間、資金計画などを十分に勘案し、できるだけお得な商品で運用してみるのが賢明だ。

■関連情報

住信SBIネット銀行
https://www.netbk.co.jp/wpl/NBGate/i900500CT/PD/campaign_en-teiki

オリックス銀行
http://www.orixbank.co.jp/personal/deposit/edirect/

みずほ信託銀行
http://www.mizuho-tb.co.jp/saving/trust/chochiku_no_tatsujin.html

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。