手のひらサイズで自由に元建て預金が可能
"スマホ"がメインのネット銀行なので、人民元預金の新規作成も増額も為替動向を見ながら簡単にできる。

邦銀初の人民元預金を取り扱ってまもなく1年

2011年10月11日、国内銀行で個人向け人民元預金を初めて扱ったネット専業のじぶん銀行。外貨預金として米ドル、ユーロ、豪ドルを扱っていたが、顧客の「取り扱い通貨を増やしてほしい」という要望に応えたのが人民元だった。既に他行で取り扱っている通貨を増やすより、他行では取り扱いのない通貨にチャレンジして新規ニーズを掘り起こしたかったという。

それから1年。顧客はどのように人民元預金を利用しているのだろうか。

「お客さまにアンケートを実施したところ、預入期間は『5年以上』という答えが最も多く約30%を占めました」(鈴木智さん)

なぜ長期保有を前提としているのかは、はっきりしている。預け入れを検討している顧客の約35%が「経済大国・中国の発展」を、約58%が「為替の値上がり」を期待しているからだ。

利用者像としては、1位が30代男性で、人民元預金の平均残高は約7万円。以下、2位=40代男性で約12万円、3位=20代男性で約3万円、4位=50代男性で約27万円、5位=30代女性で約7万円。じぶん銀行はスマートフォンなどで気軽に取引できるためか、ネット銀行の中でも女性比率が高い(男性55対女性45)のだが、人民元預金については男性の人気が高いという。

中国の発展や為替の値上がりを期待しているわりに平均残高が少ない感じもするが、お試しで少額預けた人とまとまった資金を預け入れた人の両極端の金額をならした結果なのだという。

それぞれの顧客のニーズや投資スタンスに合わせて、少額からでも預け入れ可能なところが、「じぶん銀行の人民元預金のよさ」(鈴木さん)なのだ。

円高のタイミングを計り人民元の積立預金に挑戦

普通預金と定期預金があり、定期預金の最低預入金額は円貨指定では1万円相当額以上、外貨指定では1000通貨単位以上。預入期間は1カ月、3カ月、6カ月、1年。

積立預金は扱っていないが、1万円相当額から簡単に預け入れできるので、毎月1回でも2回でも、手動で預ければ積立と同じ効果が得られる。

「定時定額積立はドル・コスト平均法の効果が期待できるというのは論理的には正しいのですが、円高の機会で買い増すほうがより効果的だと思います。外貨預金のお客様には為替相場が大きく動きそうなときやニュースがあったときにメールでお知らせしています。(鈴木さん)

外貨預金を持つと、為替相場や経済の動向に敏感になり、自然に知識が身に付く。

「今後も為替手数料の引き下げなど順次検討しており、ぜひ多くのお客さまに人民元に関心をお持ちいただきたいです」(鈴木さん)

中国の成長に合わせて少しずつ人民元の残高を増やしていけば、将来、大きな資産に育ってくれそうだ。

スマホを使えば就寝まで取引可能

取引窓口はスマホやケータイ、パソコン、電話。じぶん銀行といえばKDDIのauのイメージが強いが、実はキャリアを問わず利用できる。取引は原則24時間できるが、人民元預金取引は原則として平日9〜24時まで。取引が多いのはランチタイムと就寝前の21〜24時。夜は欧米のニュースをチェックして取引を決める利用者も多いようだ。円から外貨定期限定で、3カ月物外貨定期預金の金利アップキャンペーンを実施。人民元は9月28日まで、米ドルなどは29日。人民元金利は年2.0%、米ドル1.0%、ユーロ1.5%、豪ドル4.5%にアップする。



鈴木 智(SATOSHI SUZUKI)
執行役員 営業担当



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この記事は「WEBネットマネー2012年11月号」に掲載されたものです。