夕刊紙も特集

写真拡大

東京・吉原の人気ソープランド8店が売春防止法違反(場所提供業)の疑いで警視庁保安課に摘発され、39人もの大量逮捕者が出たことに、ネット上で疑問が相次いでいる。ソープでは「売春」が事実上黙認されているのに、今さらなぜなのか、ということだ。

摘発されたのは、「浅草11チャンネル」「レタス倶楽部」などで、これらのソープは、格安店として業界でも有名だったようだ。

格安ソープとして人気を集めていた

吉原のソープでは、入浴料・サービス料込みで50分なら3〜5万円台も多い中、8店のサイトでは、1万円台前半などの価格設定になっていた。サイトは摘発後に閉鎖されている。

報道によると、逮捕された実質的運営会社の経営者男性(67)や店長、従業員ら39人は2012年10月27日、店のソープ嬢が売春するのを知りながら、個室を提供した疑いが持たれている。うち経営者ら21人は送検されたが、残りの18人は釈放されて在宅で取り調べを受けている。経営者らは容疑を認めているという。

8店は、風営法の禁止地域が指定される前から営業していたため、その「既得権」が認められていた。09年5月からは、「オレンジグループ」の名で運営会社が店の経営を一括管理するようになったが、運営会社は風営法上の届け出をしていなかった。それが警察に目をつけられたきっかけといい、風営法違反(無届け営業)の疑いでも調べられている。

8店には、ソープ嬢が計634人も在籍しており、10年4月からこれまでに100億円以上を売り上げていた。グループは、吉原でも最大規模とされている。

一方、警察発表が報じられると、ネット上では、その意図をいぶかしがる声が渦巻いた。

「かなりまじめにやっていたのに、なぜ摘発」

「え?ソープって売春するところでしょ」と驚く声とともに、「ちょっと厳しすぎやしないか?」「何をいまさら・・・」「ケーサツの難癖だな」と警視庁の摘発に疑問が相次いでいる。

夕刊紙なども関心を示し、格安店が繁盛しているのを見て他店がチクったのではないか、スカイツリー周辺の観光地化で苦情が出たのではないか、といった指摘も出ていた。

オレンジグループのある従業員男性は、取材に対し、こう明かした。

「他店は面白くなく目をつけられやすいとして、『謙虚にやりなさい』と店から指導されていました。コンパニオンの名簿作りもきっちりやり、行政の指導にすぐに対応するなど、かなりまじめにやっていたのに…。なぜ摘発されるのか、分かりません」

摘発後は8店とも営業しておらず、再開はしばらく無理だという。従業員は自宅待機しているが、在籍のコンパニオンは店に荷物を取りに来るなど仕事先を探すようにもなったとしている。

今回の摘発について、警視庁の広報課に聞くと、広報文はお知らせしているが保安課では取材に対応していないと答えた。

売春は違法だが、ソープでは、事実上黙認された状態になっている。今回摘発されたのは、運営会社が無届け営業をしていたからなのだろうか。

この点について、警察庁の広報室では、こう言っている。

「ソープランドでは、売春ではなく、性的サービスをすることになっています。性行為はせず、その前段階までということです。ですから、売春目的で個室を提供すれば、売春防止法違反に問われることになります。そのことに届け出の有無は関係ありません」