世間では政権交代が噂されるなか、民主・自民・公明の3党は臨時国会の召集に先立つ党首会談の開催に向け、10月15日に幹事長会談を行いました。会談を通じて民主党は赤字国債発行法案の成立などに道筋をつけたい考えなのに対し、自民党は協力の前提として年内に衆議院を解散することを確約するよう求める構えで、2 大政党の駆け引きはますます激しいものとなっています。

 さかのぼること2009年、日本で初めて自民党以外の与党があらわれました。ですがその後、民主党政権は相次ぐ首相交代によって政策が安定せず、党内も内部分裂し国民に不信感を募らせていきました。政権交代当時、民主党政権が提示したマニフェストは以下のものです。

?「税金の無駄遣い」を再生産している今の仕組みを改め、新たな財源を生み出す。天下りは根絶し、議員の世襲と企業団体献金は廃止する。また衆議院定数の削減。

?「子育て・教育」として、中学卒業まで「子ども手当」を支給し、高校は実質無償化し、大学生・専門学生の希望者全員が受けられる奨学金制度を創設する。


?「年金・医療」として、年金手帳により手元で自分の年金記録を確認できるようにする。年金制度を一元化し、月額7万円の最低保証金を実現。後期高齢者医療制度の廃止。

?「地域主権」として、中央政府の役割は外交・安全保障などに特化し、地方でできることは地方に移譲。

?「雇用・経済」として、中小企業の法人税率を11%に引き下げ、職業訓練期間中に月額最大10万円の手当を支給する求職者支援制度を創設する。

 バラマキ政策であるという批判は勿論あったものの、天下りや世襲の廃止といった部分に国民は大きな期待を寄せていました。ですが産経新聞社とFNNの合同世論調査によれば、2012年10月時点で民主党の支持率は7.3%、支持する政党は無いと答えが64.8%となっており、悲観的な有権者も少なくありません。当時注目を集めた天下りの根絶等は手つかずのままであり、政界の体質自体は変わっていないと言えます。

 書籍『政権交代〜民主党政権とは何であったのか〜』は「民主党はなぜ期待を裏切ったのか」というテーマに沿い、日本政治の現状に深く切り込んでいます。戦後史上最も民意が求められている今、これまでの政治の流れを把握し、これからの日本の未来について考えていくべきではないでしょうか。



『政権交代 - 民主党政権とは何であったのか (中公新書)』
 著者:小林 良彰
 出版社:中央公論新社
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