松たか子主演で映像化された『告白』の著者、湊かなえさんの作品がまたもや映画化されます。11月3日(土・祝)に公開される『北のカナリアたち』で、原案は短編集『往復書簡』に収録されている「二十年後の宿題」。

 主人公で高校教師の大場敦史は、小学校時代の恩師・竹沢真智子の頼みで、竹沢の6人の教え子たちに会いに行く。竹沢が小学校で受け持っていたその教え子たちに共通していたのは、かつてある「悲しい事件」を経験していたということ。退職を迎えた竹沢はそんな6人のその後が気になり、大場に様子を見てきてくれないかと依頼。しかし、大場が6人に話を聞いていくうち、事件の知られざる真実が明らかになっていき、そしてさらに、大場も巻き込んで思わぬ方向に動きだしていく――。

 『往復書簡』という名前の通り、物語は竹沢と、6人の様子を報告する大場との手紙のやり取りで進みます。ですます調の手紙の文章の読みやすさ、展開のテンポのよさから一度読みだすとぐんぐんと読み進めることができます。そして6人の教え子それぞれの視点から語られる、事件の全貌が気になって気づくと「一気読み」をさせられてしまう、力のある作品でもあります。ラスト数ページの急展開には、ページをめくる手が止められなくなるはず。

 映画化にあたっては、主演の吉永小百合さんを筆頭に、里見浩太朗さんらの大御所、そして宮あおいさんや松田龍平さん、森山未來さんといった若手演技派俳優まで、豪華なキャストが名を連ねます。湊かなえさんが描く人間模様がどのように表現されるのか、映画もあわせて気になる作品です。



『往復書簡 (幻冬舎文庫)』
 著者:湊 かなえ
 出版社:幻冬舎
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