趣味の高級文房具の世界 鉛筆1本130万円!?




ボールペンにシャープペンシル、消しゴムなど、会社や学校で文房具を使わない人はいないでしょう。この文房具には、一般人のあまり知らない「高級文房具の世界がある」のをご存知でしょうか? 高級文具の世界をよく知るコレクターにお話を聞きました。



名前を伏せてくれとのことですので、匿名ですが長年にわたる高級文具コレクターに話を聞きました。



■海外の方が人気の高い高級文房具



――高級文具を趣味にしているコレクターがいるとのことですが、何を集めているんでしょうか?



それは色々です。たとえば万年筆、ボールペン、鉛筆、文鎮(ペーパーウェイト)、硯など、様々ですよ。



――日本で一番多いのはどのジャンルのコレクターですか?



やはり万年筆じゃないでしょうか。万年筆とボールペンは被ってると思います。



――海外でもこの趣味は人気でしょうか?



海外の方が人数は多いです。アメリカ、ドイツは特にコレクターが多いと思います。ヨーロッパでも盛んですね。



――なぜですか?



やはり子供の頃から、自分のサインの練習をしたりしますので。サインの練習には万年筆を使いますでしょ。筆記用具、特に万年筆に親しんでいるからだと思います。今でも公式書類のサインは自筆、というのが当たり前ですし。



――万年筆で人気なのはどのメーカーですか?



モンブランでしょうね。モンブランは20世紀初頭から万年筆を製造しているメーカーで、「万年筆と言えばこの形」という誰もがイメージする形を作ったのはモンブランです。



■限定品が世界的で人気!



――モンブランはなぜ人気があるんですか?



限定品をちょっとずつ出すからですかね(笑)。コレクターが増えたんですよ。例えば、1年に1回、『パトロンシリーズ』と『作家シリーズ』というのがそれぞれ発売されます。パトロンシリーズは、文化を支援したパトロン、その人物の名前を冠したモデルです、例えばロレンツォ・デ・メディチとか。作家シリーズは、偉大な作家の名前を冠したモデルです、例えばヘミングウェイとか。





――それをコレクターはいちいち購入するんですか?



そうですね。私もつきあってますよ(笑)。



――値段ばっかり聞いて恐縮ですがいくらぐらいするんですか?



パトロンモデルは30万円ぐらいですか。作家モデルは安価で10万円ぐらいです。



――両方買うと40万円ですよね。それが毎年出るんですか?



そうですね。毎年新作を購入していきます。2本ずつ買う人もいますよ。使う用と保存用で(笑)。



――他に万年筆で人気のあるメーカーはありますか?



同じドイツのメーカーですが、ペリカンとか。パーカーはアメリカ人に人気があります。マッカーサー元帥はパーカーの万年筆を使っていました。他にはフランスのウォーターマン(元々はアメリカにありました)。ウォーターマンは毛細管現象を使った万年筆を初めて作ったメーカーです。イタリアの万年筆メーカーも人気がありますね。



――イタリアにも万年筆メーカーがあるんですか?



意外と知らない人が多いですが、たくさんありますよ。デルタ、モンテグラッパなどはイタリアのメーカーです。万年筆を装飾するのが得意な職人がいるからでしょうね。銀細工とか。日本でも万年筆に蒔絵で装飾したりしますけど。



――その万年筆メーカーもモンブランみたいに限定品を出すんでしょうか?



出ますね。例えばペリカンさんだと『世界の七不思議』や『世界の史跡』シリーズとか。いちいちつきあってたら大変なことになります(笑)。



■記念モデルが1本130万円!



――高級鉛筆にはどんなものがありますか?



最も有名なメーカーはファーバーカステル社です。高級鉛筆、高級色鉛筆のメーカーとして有名です。2011年に創業250周年を迎えました。



――250年!? そんなに昔からやってるんですか?



そうです。なにせ1761年創業ですから(笑)。ドイツのニュルンベルグ近郊のシュタインで事業を始めました。4代目のローター・ファーバーさんが六角形の鉛筆を発明したんです(1839年)。



――このメーカーの鉛筆はいくらぐらいするものですか?



大体1本200円ぐらいですかね。2001年発売の240周年記念の製品は1本130万円でしたよ(笑)。



――えっ!? 1本130万円?



鉛筆にキャップが付いているんですけど、芯が折れないように。尻の消しゴムにもキャップが付いています。この両方のキャップがホワイトゴールドで、ダイアモンドがはめ込まれています。シリアル番号入りで、世界限定99本(日本の割り当て分は7本)です。



――スゴイ世界ですね。



ファーバーカステルは、伯爵コレクションと言って、スターリングシルバーの鉛筆削りとか、消しゴムカバーであるとか、そういうのをシリーズにして販売してるんですよ。あと300色セットの色鉛筆とか。



――それは世界的な愛好家がいるんですか?



いますね(笑)。



■アリゲーターの皮が貴重品に!



――他に高級文具というと……。



そうですね。たとえばシステム手帳。最近はアリゲーターの皮が捕獲禁止で貴重なので、昔のアリゲーター皮の製品に希少的な価値が出てますね。



――いくらぐらいするものですか?



20〜30万円ぐらいでしょうか。



聞けば聞くほど(その価格に)目がくらむような高級文房具のお話でした。みなさんは高級文房具に興味はありますか?





限定モデルにはさまざまな素材が使われるが、中でもスターリングシルバーの人気は高い。作家シリーズ『マルセル・プルースト ポールペン』(2001年)や、







パトロンシリーズ『ロレンツォ・デ・メディチ 万年筆』(1992年)など。









(高橋モータース@dcp)