ギリシャにまつわる面白い話




ユーロ危機のひきがねとなったギリシャの経済危機ですが、みなさんはギリシャについてどんなことを知っていますか。歴史で必ず出てくるのは古代ギリシャが民主(都市)国家であったこと、偉大な哲学者を輩出したことなどでしょう。



ギリシャについてのコネタをご紹介します。





■ギリシャの通貨



ユーロ危機でのっぴきならない事態に陥っているギリシャですが、ユーロ以前の独自通貨は「ドラクマ」でした。これは古代ギリシャでも使われていた通貨単位だったのですが、ギリシャがローマ領になり、時代を経るに従って途絶しました。



復活したのは1868年。経済の不安定な国にありがちなことですが、またこの通貨がインフレを起こしやすい通貨で、「0がいくつつくんだ!」みたいな事態に陥りやすかったのです。





0がずらっと並ぶため、近年には隣国トルコの人が「あはは、何ドラクマだかわらないよ」などと笑っていたそうですが、トルコだって最近まではハイパーインフレ通貨トルコリラに悩まされていたのです(2005年に100万トルコリラを新1トルコリラにしたりしている)。



ギリシャがユーロ離脱するのでは……という観測が今もやまず、その危機は「ドラクマゲドン」と呼ばれています(笑)。さてどうなることやら。



■バイロンの落書き



スーニオン岬にあるポセイドン神殿には、有名な詩人バイロン(1788年〜1824年)の落書きがあります。この詩人はギリシア独立戦争の際に義勇兵としてギリシアを訪れています。有名詩人のいたずらなので、その落書き自体が観光の目玉になっています。ですが落書きはいけません。このポセイドン神殿は風光明美な地に建つ、とても美しい建築物です。夕暮れ時は特に印象的です。



■パルテノン神殿は近くで見ると……



アテネ(アテナイ)にあるパルテノン神殿はギリシアのアイコンになっています。これは女神アテナを祭る神殿で約2,500年も前からあります。ちなみにパンフレットなどの写真ではいかにも白く輝いているようですが、実際に近くで見ると薄めの灰色っぽく、2,500年の時間の重みを感じさせます。

白い犬が実はそれほど白くはないのと同じですね(笑)。



■本当に近ごろの若いヤツは……



プラトン(紀元前427年〜紀元前347年:アテネの人)というと社会の教科書に必ず載っている、古代ギリシャを代表する哲学者です。彼は『アカデメイア』という学校を開いて教育に力を入れたことでも有名です。しかし……。



「最近の若いヤツはなんだ。目上の人を尊敬しないし、親にも反抗する。妄想にふけっては街で暴れる。道徳心のかけらもない」と自分の弟子について語ったという記録が残っています。いつの時代も、若者に対する大人の目は同じですね(笑)。



■裸は普通だよ



浮力の原理を発見したアルキメデス(紀元前287年〜紀元前212年:シラクサの人)のエピソードは大変に有名です。考えあぐね、うんうんうなってお風呂に入り、水があふれるのを見て浮力の原理を思い至った。あまりの喜びに「ユーレカ!」(我発見せり!)と叫びながら素っ裸のまま表に飛びだしたとされています。



このエピソードを紹介する際には、赤面してまゆをひそめる女性と裸のアルキメデスのイラストが添えられたりしますが、赤面はなかったものを思われます。裸で飛び出したのは事実のようですが、ギリシャは当時、運動する時など素っ裸が当然でした(笑)。



表に飛び出したアルキメデスを「なんだなんだ」と思ったでしょうが、その外見については誰も特段の注意を払わなかったでしょう。男のスッポンポンなんか普通だったのです。



■食堂はタベルナ!



ギリシャは地中海に面しているので昔から魚介類を食べていました。そのため日本人が訪れても美味しくギリシャ料理を食べられます。特にタコ、イカ、貝類を好んで食べるのが日本人にはウレシイところです。ギリシャ料理の特徴はオリーブオイル。



オリーブは古代からギリシャの特産品で、料理にもオリーブオイルは欠かせません。現在のギリシャ人は世界一トマトを消費する国民です。1年間に1人あたり100kgのトマトを食べます(ソースに入ったものなどを含みます)。



ちなみに日本人は年間10kgでギリシャ人の1/10。いかにギリシャ人がトマトを食べているかわかりますね。



代表的な料理を挙げてみましょう。



●ムサカは、ひき肉をいためたものをトマトペーストで煮込んでぶどうの葉で包んだものです。ぶどうの葉で包む代わりに、スライスしたじゃがいも、なすなどを用いて層状に重ねたりもします。



●タラモサラタは最近日本でもメジャーになってきました。塩漬けした魚卵をほぐし、オリーブオイルを掛け回してマッシュポテトを練り込んでレモンを搾ります。前菜料理ですがお酒のつまみにも最適です。日本でタラモというとタラコが用いられる(代用する)ことが多いですが、本家ギリシャではコイ、ボラなどの魚卵を使います。



●スヴラキは肉を串に刺して炙(あぶ)ったものです。ギリシャ風の焼き肉です。



●ちなみに「食堂」のことをギリシャ語では「タベルナ」と言います。



■インチキ投票もあった!



古代ギリシャというと民主的な投票によって選ばれ、民衆の代表者によって政治が行われた「民主主義の先駆け」とされています。確かにその通りなのですが、一方でやはりインチキした人もいました(笑)。投票の際には、紙ではなく陶片(割れた陶器の破片)に立候補者の名前を書いて選挙を行っていました。



考古学者が調べたところ、同じ筆跡で同じ立候補者に投票した陶片が多数発見されたそうです。つまり、1人1票の原則を守らずインチキした投票者がいたわけで、民主主義統治の先駆けの時代から人間のやることは変わらないんだなあ、と思わされます(笑)。



(高橋モータース@dcp)