広島県東広島市、実は日本三大酒処のひとつって知ってた?

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広島県のほぼ中央に位置する東広島市には、多くの歴史ある建物が残されている。

特にJR西条駅近くには、昔ながらの白壁やなまこ壁、赤れんがの煙突などが立ち並んでいるのが印象的だ。

この一帯は「西条酒蔵通り」と呼ばれている。

なぜこの名がついたのかというと、ここに多くの酒造が存在するからなのだ。

西条で造られる酒は、全国新酒鑑評会(旧全国清酒品評会)においても高い評価を受けている。

しかも、神戸の灘(なだ)と京都の伏見と並び、「日本三大酒処」のひとつに数えられているほど。

西条はもともと水に恵まれた土地だったのだが、実はその水、酒造りにはあまり向いていない軟水だった。

東広島市観光協会の石川さんによると、東広島市の安芸津(あきつ)という場所で酒造りをしていた故・三浦仙三郎氏が、研究に研究を重ねて軟水醸造法を発明。

他の蔵元にもそれを伝えたことから、この地での本格的な酒造りがスタートしたのだとか。

また、精米機のメーカー「サタケ」が西条にあったことから、米を削る技術が発達し、次第に吟醸酒造りも盛んになっていったのだという。

現在、JR西条駅から半径約1kmの範囲に蔵元が8つ(市内全域では11)あることから、これらを巡るコースも設定されている。

「狭い地域の中に酒蔵8つも密集していることが、他の地域にはない大きな特徴です」(石川さん)。

各酒蔵では酒造りの工程を解説したビデオの上映や、酒の試飲を行っている。

「冬の早朝はタイミングがあえば、米を蒸す時に出る蒸気が街中に立ち込めている風景を観ることができます」と石川さん。

東広島市はその立地ゆえ、江戸時代には山陽道の宿場町として栄えた。

ちなみに市内の四日市宿にあった本陣は、藩内最大の規模だったという。

市内にはそうした歴史をしのばせる史跡や古いまち並みなどが残っており、蔵元の周辺でもそうした情緒溢(あふ)れる町並みが楽しめる。

蔵元の方でも、訪れた人たちを迎えるために様々に工夫を凝らしている。

例えば、代々守り伝えてきた仕込み水を飲み比べてもらうために提供している蔵元もある。

また、酒蔵を改装したカフェやショップを設けて、各蔵の酒だけでなく、お酒のグッズやお菓子などを販売しているところも。

また、毎年10月には、全国から集められた900を越える日本酒が楽しむことができるイベントが開催される。

その他、各酒蔵が趣向を凝らした出し物を用意する「酒まつり」も開かれていて、2012年は約24万人もの人が訪れたそうだ。

また、東広島市には酒造以外にも様々な見どころがある。

歴史的に興味がある人におすすめなのは、史跡公園として整備されている「三ツ城古墳」。

隣接した「東広島市立中央図書館」には出土品も展示されている。

江戸時代の情緒に触れたいという人は、古くから交通の要衝だった白市(しらいち)まで足を伸ばしてみよう。

大規模な瓦ぶきの町屋などが、今でも現役の家として残されている風景を観ることができる。

おいしいものが食べたいなら、西条を代表する清酒「賀茂鶴」を製造している賀茂鶴酒造が直営する「佛蘭西屋 元祖 美酒鍋」がイチオシ。

「酒まつり」でも人気の美酒鍋の他、広島のご当地グルメも楽しめる。

秋が深まるこれからの季節は、食も散策もますます楽しくなるもの。

今年の秋は、その両方をいちどきに楽しめる東広島を訪れて、リフレッシュしてはいかが? 気にいったお酒を見つけたら、お酒好きな友だちや家族にお土産として購入することもお忘れなく。