今年2月、東大卒の30歳(当時)経産省キャリアが、ブログで給料を公開。「意外と安い」といった声が多く、大きな話題となりました。

[今月のお給料(額面)(千円以下五捨六入)]
俸給:29.2万円
特別都市手当:1.7万円(勤務地が都市の場合地価・物価を考慮しての多少の地域加算)
超過勤務手当:12.8万円(だいたい60時間の残業)
住居手当:2.7万円
総計:46.5万円(≒額面給与)
※経済産業省の官僚として採用されたものの、当時は独立行政法人に出向中で国家公務員と少し給与体系は異なったよう。本人は「ほとんど同一」と語る。

 給料を公開したのは、宇佐美典也氏。ブログには上記のように記載されており、実際には、健康保険料をはじめ、住民税、所得税などが控除され、銀行振込額は37万円となったそうです。

 「一民間企業の力で日本が抱える問題を解決することは難しい。さまざまな主体の力を組み合わせて、ひとつの強い力を生み出す必要がある。そのためには、プロデューサーとしての政府の力が重要になってくる」

 宇佐美氏はこういった思いを胸に官僚の道へと進みました。

 しかし、現在の政治家やマスコミは、こういった若い人間の純粋な思いを疑い、踏みにじる方向を向いていると感じているようです。

 「(政治家やマスコミは)一方的な断罪を繰り返して票稼ぎや視聴率稼ぎに利用して、人を弄んだ末に失望させます。ここ数年、従来では辞めることなど考えられなかった若手のエース級官僚の転職が目立つようになりました。若手官僚の間には、かつてないほど政府に対する失望感が満ちているのです」

 こう感じている宇佐美氏は、在職の身ではありながら、官僚の給与実態や労働環境、政治に対する見解を伝えるブログを始めたのです。実名で主張することは非常に勇気のいるもの。どうしても「投稿ボタン」が押せずに、紹興酒の瓶を1本飲んでから、酒の力を借りてなんとか「投稿」したこともあると、書籍『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』で振り返っています。

 若く、純粋な官僚たちがこれ以上、霞ヶ関を去ってしまってはいけない。私たちも、官僚は誰がやっても同じだと諦める前に、こういった勇気ある行動をとれる人材を残すことも重要なのではないでしょうか。



『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』
 著者:宇佐美 典也
 出版社:ダイヤモンド社
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