鍼灸師が教える。睡眠不足をチェックするツボとは?




「春や秋は快適気温で寝苦しくないのですが、血流が滞りやすい季節でもあります。それが理由で実は眠れていないという患者さんが増えています」と話すのは、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。



■就寝前と起床時に、ツボの様子を自分で確認



丸尾先生は、睡眠とツボの関係について、こう説明を続けます。

「睡眠不足のときは、血流が滞るなどで睡眠に関するツボが硬くなっていることがあります。就寝前と起床時に次に紹介するツボを指圧し、いつもと違うかなど、様子をチェックしましょう。



また、眠りにくい、よく眠れないときは、寝る前に睡眠を促すツボの指圧を習慣化するというのも一つの方法です。歯磨きやトイレに行くことと同様に眠る前の儀式として行うことで、体に睡眠タイムを知らせるわけです」



では次に、自分でチェックとケアができる、睡眠にかかわるツボ&ストレッチを教えていただきましょう。



1.ツボ・関元(かんげん)をチェック





「関」は「要所」、「元」は「源」で、関元とは元気、生体のエネルギーや活力の源を意味しています。指で押さえてここが硬い、あるいは違和感があるときは、エネルギーが低下していると考えます。不眠症のほか、うつの症状などの精神不安、疲労感が強いときはこのツボをチェックしてください。



ツボの位置

おへそから自分の親指の幅3本分(40〜60ミリ)を下がったところ。



ツボの刺激法

両手の人さしと中指を重ね、おなかの脂肪がへこむようにソフトにひと押し20〜30秒を数回、繰り返します。就寝前や起床時は寝たままで、仕事中ならイスに座った姿勢で指圧してください。

冷える時期は、ここにカイロを貼(は)ることをお勧めします。



2.ツボ・膈兪(かくゆ)をチェック





「膈」とは横隔膜のあたり、「兪」とは東洋医学でいう内臓を調整する「兪穴(ゆけつ)」のこと。背中のコリをほぐし、横隔膜のけいれんをしずめて呼吸を楽にするツボです。上半身の血行を促進し、不眠対策のほか、めまい、のぼせ、せき、吐き気、胃などの不快感全般に対応する特効ツボです。



ツボの位置

背中側、けんこう骨の下の端を結ぶ線上で、背骨を中心に自分の親指の幅1本半(20〜30ミリ)ほど外側。左右に2つあります。



ツボの刺激法

両手のこぶしを軽く握って両ひじを曲げ、背中側、けんこう骨の方へ引き上げます。ツボの位置あたりをこぶしでぐりぐり刺激し、痛むところを探します。



就寝前や起床時は、うつぶせになって指圧してください。

手が届かなければ無理をせず、あおむけになって背中にゴルフボールやテニスボール、ツボ押しグッズなどを入れて刺激します。誰かに押してもらうのもよいでしょう。



3.ツボ・安眠(あんみん)をチェック





その名のとおり快眠を促すツボとして知られています。睡眠不足、肩こり、頭痛があるときなどはこのツボ周辺は硬くなります。名称からして覚えやすいので、頻繁にチェックするとよいでしょう。



ツボの位置

左右の耳の裏側を指で触ると、頭がい骨の出っ張りがあります。その骨の下、くぼんだ場所を探してください。指で刺激して痛みや違和感があるところです。左右に2つあります。



ツボの刺激法

後頭部を両手で支え、親指で強めにひと押し10〜20秒ほどを数回繰り返します。



4.就寝前や起床時のストレッチ





熟睡できない、睡眠不足だ、起床時に頭がすっきりしないなどの原因の一つに、肩こりや首痛があります。あおむけに寝たまま、両手を後頭部に回して両手で頭を起こします。すると、首の後ろや肩回りが刺激され、血流が促されます。



1回につき10秒〜20秒、就寝前には、肩こりや首痛の解消をイメージしながらソフトに1回だけ行います。起床時や昼間には、頭がすっきりするようにイメージしながら、2〜3回行いましょう。



最後に丸尾先生は、こうアドバイスを加えます。

「眠れないからといってツボを強く刺激し過ぎたり、何十回も押すなどをしても意味はありません。就寝前は優しく指圧、起床時にはやや強めに指圧するようにしてください」



これらのツボを押していくと、睡眠不足と精神不安、呼吸、肩こり、首痛、頭痛などは密接に関係しているということが実感できます。日々の体調を知るためにもよい方法のようです。



監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。

太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10 TEL: 06-7176-6289 地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分 http://www.taisibasi.com/



(藤井空/ユンブル)