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 連日連夜メディアが報じる凄惨な事件は後を絶たないが、法務省が公表した犯罪白書によれば、一年間に認知される殺人は約1,000件。加害者と被害者との関係は、8割以上が親族もしくは面識のある人物だという。

 マスコミの報道が過熱し、犯人の生い立ちや動機などが事細かに明かされると、視聴者の中には犯人に共鳴して、自身も同様の犯行に駆られる“模倣犯”が現れることもある。2001年に児童8人を殺害した末に死刑となった附属池田小事件の犯人は、生前に公判の中で、1999年に死者5名を出した「下関通り魔殺人事件の“模倣犯”になりたかった」と供述している。

 現在公開中の映画『推理作家ポー 最期の5日間』では、史上初の推理作家エドガー・アラン・ポーの作品に魅せられた愛読者が、小説を模倣した殺人を次々に実行。エドガー・アラン・ポーと言えば、1841年に世界初の探偵オーギュスト・デュパンの活躍する「モルグ街の殺人」を発表し、シャーロック・ホームズの生み出したコナン・ドイルや、ペンネームからもポーへの傾倒が分かる明智小五郎を生みの親である江戸川乱歩を始め、その影響力は現在もなお様々な表現者たちの作品で目にすることが出来る。


 事件は、闇夜を切り裂く悲鳴と共に幕を開ける。犯行現場となった部屋には、犯人によって内側から鍵が掛けられていた。駆け付けた警官が扉を蹴破ると犯人の姿は無く、床には絞殺後に首を切られた母親の死体が転がり、煙突の中から逆さ吊りにされた娘の死体が発見された。窓には釘が打ち付けられており、完全密室殺人に思えた犯行だが、トリックから殺害方法まで全てがポーの「モルグ街の殺人」を模倣したものだった。その後も第二、第三の模倣殺人が続く中、犯人はポーの最愛の恋人エミリーを誘拐し、自身の犯行を新聞に連載するようポーに要求する。

 歴史上のポーは40歳の若さでこの世を去ったが、死の直前の5日間の行動は謎に包まれたまま。死の間際に放った「レイノルズ…」という不可解な言葉の意味は、ポーと模倣犯との関係を示すダイイング・メッセージだったのか? 映画はポーの最期の日々を、史実とフィクションを融合した大胆な発想により生まれた極上のミステリーで、芸術の秋に相応しい作品。全ての答えは小説の中に隠されている。あなたはその謎を解き明かすことができるだろうか?

 MOVIE ENTERの『推理作家ポー 最期の5日間』特集ページでは、模倣殺人鬼からの挑戦状として、第一の殺人となる完全密室殺人のトリックを解き明かすヒントを3択で出題。ヒントは公式サイトに隠されているので、謎を解き明かし、貴重なプレゼントを手に入れてもらいたい。

MOVIE ENTER『推理作家ポー 最期の5日間』特集ページ