東日本大震災による原発事故から1年半が経過し、多方面で脱原発の動きが見られますが、多くの原発が未だ稼働中です。『2030年までに原発ゼロを目標にする』と一度は発表した政府も、いつの間にか『2030年に原発比率を15%以下に減らす』という方向にシフト。現在、日本の電力源の構成比は約24%が原子力ですので、これを18年間で9%減らすということになります。原発の寿命は40年といわれていますから、老朽化したものから順に廃炉にしていけば、依存比率15%を達成されるといわれています。

 これは原発ゼロへの過程と理解することもできますが、残念ながら政府がそれを明言していないので、今のところ原発がなくなることはないと考えられます。では私たちは、いつまた起こるかわからない最悪の事態や、現在も日本を覆っている放射能とどう付き合っていけばいいのでしょうか。

 書籍『この国は原発事故から何を学んだのか』には、大飯原発再稼働による危険性や、放射能汚染による恐ろしさ、福島第一原発内部にあった不備等について言及し、最終的に「原発ゼロ」の社会に向かって私たち一個人がどのように生きていくべきかが記されています。また、食物等から発生する内部被爆について掘り下げている点でも、今の日本で生活していくにあたって必要な知識にふれることが出来るはずです。

・野菜は茹でることによって含んでいた放射性物質の60%をカットすることができるが完全に取り除くことは出来ない。
・放射性物質は体内にとどまり人体を傷つけ続けるので、暫定基準を設けたところで全く意味がない。
・子供は細胞分裂が盛んなので放射線によって傷ついた細胞もそれだけ多く複製され、大人と比べ4倍の被ばくリスクがある。
・日本中の土壌が多かれ少なかれすでに汚染されてしまっている。

 上記は本書に書かれていた内容のほんの一部を羅列したものですが、これだけでも驚きを隠せません。ひとたび事故が起きればこれだけの危険を伴う原発を、私たちは受け入れ続けなければならないのでしょうか。私たちが生命を守っていくには、どのように原発と向き合っていくべきかをもう一度考えるべく、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。一人ひとりの小さな動きが、その後の未来に大きく作用していくのです。



『この国は原発事故から何を学んだのか (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-2)』
 著者:小出 裕章
 出版社:幻冬舎ルネッサンス
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