ハリウッドの巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が米CBSのインタビュー番組『60ミニッツ』に登場し、父親アーノルドさんとの関係が、自身がこの50年ほどで作った30本近くの映画に対する創造性をかき立てたと告白した。


両親の離婚について、「僕は父に罪を着せていた」と振り返る監督。両親は彼が19歳のときに離婚した。『E.T.』(1982年)や『未知との遭遇』(1977年)といった初期の作品では、家族を置き去りにする父親が登場するが、これは両親の離婚で監督が感じたことがかなりはっきりと映し出されている。しかしながら、離婚の原因を作ったのは父親のアーノルドさんではなく、夫の友人に恋をした母親のリアさんだった。

『60ミニッツ』にはまた、監督の両親も登場。インタビュアーから「なぜ息子に"真実"を語らなかったのか」と聞かれたアーノルドさんは、「僕はただ、彼女を守っていたんだと思う。彼女を愛していたからさ」と答えていた。

結局のところ、真実が明かされてからも、監督は父親を責めていた。その後、監督の妻で女優のケイト・キャプショーが父親と夫の関係修復に一役買い、2人は再び連絡を取るようになったそうだ。父親との関係が好転したのが影響してか、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)や『宇宙戦争』(2005年)、そして新作『リンカーン』(2012年)といった近年の作品では、複雑でタフ、だがとても愛情深く思いやりのある父親が描かれている。

「自分に起きた最悪の出来事の1つは、自分の意志による父親との仲たがいだと思う」と、スピルバーグ監督。「そして自分の起きた最高の出来事は、事情を理解したとき、父もそうできるであろうやり方で、自分が彼を愛さなければいけないと気づいたことだ」

『60ミニッツ』に登場したスピルバーグ監督(インタビュー映像)

新作『リンカーン/Lincoln』トレーラー映像