未来を創った発明(その1:1900年〜1910年)
1905年、26歳の頃のアインシュタイン。 Photo: Universal History Archive/Getty Images「未来を創った発明(その1:1900年〜1910年)」の写真・リンク付きの記事はこちら
現代の最先端テクノロジーも、将来は風化してしまうものだ。しかし、だからといってその魅力が薄れるわけではない。誰もが最も新しく、最も素晴らしいものを望んでいるのだ。
けれども時として、どんな分野でもほんとうに革命的なものが、その世界を根本的に変えてしまうことがある。WIREDでは今回から、1900年から現在までを10年ごとに12の期間に分け、それぞれ12のもっとも革新的な人々や場所、モノを紹介していく。初めての大西洋横断通信から携帯電話、あるいは真空管からマイクロプロセッサーまで。テクノロジーや科学、スポーツなど、様々な分野におけるもっとも重要な進歩を振り返っていく。
第一回目に採り上げるのは、1900年〜1910年の10年間。
1905年:相対性理論(科学) 上の写真
「E=mc2」は物理学の歴史のなかでも最も有名な関係式だ。質量とエネルギーの等価性と定量的関係を表したこの式は、1905年11月に当時26歳のアルベルト・アインシュタインが発表した。
Photo: The Cyber Toaster Museum
1906年:トースター(ビジネス)
電気トースターは、それまで主に電球に利用されていた電気を応用した最初期の電化製品。1906年にイリノイ州の発明家であるアルベルト・L・マーシュが電熱線(ニクロム線)の特許を取得、この技術を用いることでトースターの発明が可能になった。
Photo: Courtesy Saint Louis University Libraries Special Collections
1905年:アメフトのフォワードパス(スポーツ)
1900年代のはじめには、アメリカンフットボールはルールがまだ十分に整備されておらず、今よりも危険なスポーツであった。1905年、多くの高校生・大学生プレイヤーが亡くなったことをきっかけに、ルールの改革を訴えたのがセオドア・ルーズベルト大統領。彼の手でフォワードパスなど様々なルールの整備が行われた。
Photo: Wikipedia
1903年:戦車(戦争)
20世紀初頭において、戦車はSF小説のなかの存在だった。1903年に出版されたH・G・ウェルズの「The Land Ironclads」において戦車を思わせる兵器が描かれ、同年、フランス軍は大砲を備えたモーター駆動の兵器について考案し始めた。
Photo: Hulton Archive/Getty Images
1907年:真空管(エンタープライズ)
現代のコンピューターには半導体が利用されているが、最初は真空管が利用されていた。真空管の父と呼ばれる発明者は多いが、1906年にリー・ド・フォレストが発明した三極真空管は、同技術に関する革新的な進歩となった。
Photo: Courtesy Mercedes-Benz
1901年:ガソリン駆動のメルセデス第1号(自動車)
初めて「メルセデス」の名を冠した同車は、当時もっともパワフルな自動車であったと同時に、軽量で技術的にも最先端をいくもので、現代的な自動車の第1号ともいうべきものだった。
Photo: Wikipedia
1902年:任天堂の世界展開(ゲーム)
1889年に創業された任天堂は当初、花札を製造していたが、1902年には日本で初めてトランプの製造を開始。これが大ヒットし、その後、現在のテレビゲームを含む様々なゲームで世界に展開していくきっかけとなった。
Photo: Wikipedia
1902年:月世界旅行(映画)
フランスの映画監督であるジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」は1902年に公開され、世界初のSF映画として映画史の中でも重要な作品と見なされている。
Photo: Wikipedia
1907年:ベークライト(デザイン)
世界初の合成プラスティックであるベークライトは、レオ・ベークランドが1907年に発明。ベークライトの発明は様々なプラスティック製品の生産を可能にし、20世紀のプラスティック革命の礎となった。
Photo: Universal History Archive/Getty Images
1910年:ラジオ(ガジェット)
世界初の公共ラジオ通信は1910年1月12日、リー・ド・フォレストが行ったものであった。「ラジオ」という言葉の生みの親としても知られるフォレスト氏は、オペラ「トスカ」の一部をこの実験放送で流した。
Photo: Wikipedia
1908年:FBIの設立(セキュリティ)
FBI(米連邦捜査局)の前身組織は1908年、当時の司法長官であったチャールズ・ボナパルトの手で設立された。このときはBOI(Bureau of Investigation:捜査局)という名前で、捜査官も十数人しかいなかった。
Photo: Brownie camera No. 2, courtesy of Wikipedia.
1900年:コダックのカメラ「ブローニー」(写真)
コダックは1900年、同社のカメラ「ブローニー」を発売。1ドルという破格の値段で販売されたこのカメラによって、写真は大衆に一気に普及していった。
TEXT BY Wired.com 編集部
TRANSLATION BY 中村航
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現代の最先端テクノロジーも、将来は風化してしまうものだ。しかし、だからといってその魅力が薄れるわけではない。誰もが最も新しく、最も素晴らしいものを望んでいるのだ。
けれども時として、どんな分野でもほんとうに革命的なものが、その世界を根本的に変えてしまうことがある。WIREDでは今回から、1900年から現在までを10年ごとに12の期間に分け、それぞれ12のもっとも革新的な人々や場所、モノを紹介していく。初めての大西洋横断通信から携帯電話、あるいは真空管からマイクロプロセッサーまで。テクノロジーや科学、スポーツなど、様々な分野におけるもっとも重要な進歩を振り返っていく。
1905年:相対性理論(科学) 上の写真
「E=mc2」は物理学の歴史のなかでも最も有名な関係式だ。質量とエネルギーの等価性と定量的関係を表したこの式は、1905年11月に当時26歳のアルベルト・アインシュタインが発表した。
Photo: The Cyber Toaster Museum
1906年:トースター(ビジネス)
電気トースターは、それまで主に電球に利用されていた電気を応用した最初期の電化製品。1906年にイリノイ州の発明家であるアルベルト・L・マーシュが電熱線(ニクロム線)の特許を取得、この技術を用いることでトースターの発明が可能になった。
Photo: Courtesy Saint Louis University Libraries Special Collections
1905年:アメフトのフォワードパス(スポーツ)
1900年代のはじめには、アメリカンフットボールはルールがまだ十分に整備されておらず、今よりも危険なスポーツであった。1905年、多くの高校生・大学生プレイヤーが亡くなったことをきっかけに、ルールの改革を訴えたのがセオドア・ルーズベルト大統領。彼の手でフォワードパスなど様々なルールの整備が行われた。
Photo: Wikipedia
1903年:戦車(戦争)
20世紀初頭において、戦車はSF小説のなかの存在だった。1903年に出版されたH・G・ウェルズの「The Land Ironclads」において戦車を思わせる兵器が描かれ、同年、フランス軍は大砲を備えたモーター駆動の兵器について考案し始めた。
Photo: Hulton Archive/Getty Images
1907年:真空管(エンタープライズ)
現代のコンピューターには半導体が利用されているが、最初は真空管が利用されていた。真空管の父と呼ばれる発明者は多いが、1906年にリー・ド・フォレストが発明した三極真空管は、同技術に関する革新的な進歩となった。
Photo: Courtesy Mercedes-Benz
1901年:ガソリン駆動のメルセデス第1号(自動車)
初めて「メルセデス」の名を冠した同車は、当時もっともパワフルな自動車であったと同時に、軽量で技術的にも最先端をいくもので、現代的な自動車の第1号ともいうべきものだった。
Photo: Wikipedia
1902年:任天堂の世界展開(ゲーム)
1889年に創業された任天堂は当初、花札を製造していたが、1902年には日本で初めてトランプの製造を開始。これが大ヒットし、その後、現在のテレビゲームを含む様々なゲームで世界に展開していくきっかけとなった。
Photo: Wikipedia
1902年:月世界旅行(映画)
フランスの映画監督であるジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」は1902年に公開され、世界初のSF映画として映画史の中でも重要な作品と見なされている。
Photo: Wikipedia
1907年:ベークライト(デザイン)
世界初の合成プラスティックであるベークライトは、レオ・ベークランドが1907年に発明。ベークライトの発明は様々なプラスティック製品の生産を可能にし、20世紀のプラスティック革命の礎となった。
Photo: Universal History Archive/Getty Images
1910年:ラジオ(ガジェット)
世界初の公共ラジオ通信は1910年1月12日、リー・ド・フォレストが行ったものであった。「ラジオ」という言葉の生みの親としても知られるフォレスト氏は、オペラ「トスカ」の一部をこの実験放送で流した。
Photo: Wikipedia
1908年:FBIの設立(セキュリティ)
FBI(米連邦捜査局)の前身組織は1908年、当時の司法長官であったチャールズ・ボナパルトの手で設立された。このときはBOI(Bureau of Investigation:捜査局)という名前で、捜査官も十数人しかいなかった。
Photo: Brownie camera No. 2, courtesy of Wikipedia.
1900年:コダックのカメラ「ブローニー」(写真)
コダックは1900年、同社のカメラ「ブローニー」を発売。1ドルという破格の値段で販売されたこのカメラによって、写真は大衆に一気に普及していった。
TEXT BY Wired.com 編集部
TRANSLATION BY 中村航
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