宮野真守「神山監督についていこうと思った」混沌とした時代の正義と映画『009 RE:CYBORG』 - 舞台あいさつ

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10月27日に公開を迎える劇場アニメーション映画『009 RE:CYBORG』の公開記念特別上映イベントが19日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、神山健治監督、キャストから009/島村ジョー役の宮野真守、003/フランソワーズ・アルヌール役の斎藤千和が登場した。

本作は、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』を原作に、『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズや『東のエデン』の神山監督が脚本・監督を手がける完全新作。

2013年、ロンドン、モスクワ、ベルリン、ニューヨーク、上海と大都市で同時多発爆破事件が起こる世界を舞台に、セルライクな3Dアニメーションで全く新しい『サイボーグ009』が描かれる。

今回のイベントは10月27日の全国公開に先がけて、ひと足早い本編上映と監督、キャストによるトークが行われた。

『サイボーグ009』を新生させた経緯について神山監督は、「世界中が混沌とした個人主義の時代、100人いれば100の正義がある複雑な時代に、石ノ森先生のシンプルな正義の形が力強く響くんじゃないかと考え、3年前に企画しました」と話しつつ、石ノ森章太郎の故郷・石巻も被災した東日本大震災に触れて「エンターテインメントに従事する者が震災の後にどう向き合っていくかを考えていた時、石巻の皆さんから作品を作って仙台でも上映してほしいという声を頂いたんです。

これは我々も勇気を持って作品を作らなければならないなと考えて、今回作品を完成させることができました。

先週石巻市内で上映して、子供さんも含めて皆さん真剣に見てくださいました。

暖かく迎えていただいたことに本当に感謝しています」と、石ノ森章太郎ゆかりの地で最速上映された本作完成の喜びを語っていた。

そして宮野は「この作品に参加させていただいたこと自体が感動でした。

歴史ある作品に、監督が新たな挑戦をしているエネルギーや思いを伝えて頂いていたので、キャスト一同もすごいチームワークで、濃密な時間を過ごせました」と興奮気味に話し、斎藤も「まるでずっと一緒にやってるみたいな感覚でした」と出演者の絆を強調していた。

また、宮野は『攻殻機動隊』シリーズで神山監督作品に関わった声優の大塚明夫から「神山さんの言うこと聞いていれば間違いないから」とアドバイスされ「アフレコ前に本当に丁寧に作品の世界について教えてくださるので、神山さんについていこう! と思いました」というエピソードを明かした。

また、キャスティングについて神山監督が宮野を「少年っぽさがありながら、いざとなったら世界を救いそうな声」と評すると、斎藤も「宮野くんの声はどうしようもなくヒーローなんだなって思いました。

戦隊物ならレッドだなって……『009』は全員レッドなんですけど」と語り、会場を笑わせていた。

また、神山監督は003/フランソワーズ・アルヌールには「女性らしさ」と「かわいらしさ」の両方を兼ね備えた声を求めていたが、何より宮野と斎藤の”声”の相性がぴったりだったため、今回の起用に繋がったという。

その後行われた生メイキング&生アテレコでは、宮野と斎藤が演技の難しさを語った、高校生として生活する島村ジョーが記憶を取り戻し、フランソワーズと再会する情緒的なシーンが選ばれた。

二人は観客からの拍手と歓声にはにかみながらも、監督の指示を受け、リハ、本番と、実際のアテレコと同じ緊張感でやりきり、観客から大きな喝采を浴びていた。

最後に宮野は「構想3年、たくさんのスタッフで作られたアニメーションに、2日だけですが参加し、スタジオで作品の意味をみんなで議論しながらアフレコを進めました。

それぞれの中にある正義と悪意を見つめなおす機会になればとおもいます」、斎藤は「声優とはスタッフさんの仕事の積み上げたものの上に成り立つ仕事。

そこに作品を見てくださる方がいて仕事は完成します。

ぜひご覧いただけたらうれしいです」とそれぞれに想いを語り、最後に神山監督が「3年におよぶ製作で生命を吹き込んだ作品です。

見ていただくことがスタッフの喜びであり、今日、こうしてたくさんの方が集まってくれたことが誇りです」と作品をアピールした。

映画『009 RE:CYBORG』は、10月27日より全国公開。