薄毛に悩む男性の心強い味方となっているカツラ。中でもよく使われる【着脱型】は、くし状やクリップ状のワンタッチ式の金具などで、自毛を挟み込んで固定する方式で、進化はしているものの、昔からの伝統的な装着法である。

 人工毛や人毛を植え付けたベースの部分を頭皮に貼り付けて固定する【密着型】に比べ、外れやすいのと、頭髪を触るとクリップの凸部の感触があるのが難点だが、決して廃れてしまったわけではない。

「家では外していたい」という人や、頭皮に粘着剤で貼り付けるのが苦手な人は、着脱型を利用することが多い。アデランスやアートネイチャーなどは、顧客の要望に合わせて、着脱型に対応した製品を用意している。

 自毛と特殊極細毛を三つ編みのように縄状に編む【編み込み型】でも、カツラを頭部の台座に固定するときに極細糸ではなくストッパーを利用することで、自分で装着が可能になるという利点がある。

 さらに、スヴェンソンではこの11月1日に、従来、金属製だったクリップを樹脂製にした「プラコネクト」を発売する予定だ。

「金属製だと空港の金属探知器に引っかかったり、サウナで高温になったりするので、樹脂製のクリップを開発しました。強度は金属製とほぼ同等で、濡れても外れにくいのが特徴です」(スヴェンソン・メンズ事業部副部長・北村芳浩氏)

 古くからある着脱型も日々進化しているのである。

 また、最近では、一般の理容室を販売拠点として利用し、大手メーカーの半額以下という激安のカツラを販売するメーカーが何社か誕生しているが、こういったメーカーの製品は手軽に装着できる着脱型が多い。大手メーカーのような完全オーダーメイドではなく、精巧さでは劣るが、経済的な理由から選ぶ人も増えているという。

 カツラ業界にも価格破壊の波が押し寄せているのだ。

※週刊ポスト2012年11月2日号