百貨店催事場のテッパン人気企画とは!?




百貨店の催事場ではさまざまな企画の催し物が行われています。例えば駅弁大会や日本全国うまいもの市。例が食べ物ばかりで恐縮ですが、この催事場の企画はどのように決められているのでしょうか。また人気企画にはどのようなものがあるのでしょうか?



西武池袋本店、営業催事部部長の加藤弘さんにお話を伺いました。



■催事場の企画は半期単位で





――催し物企画はどのくらい前から決まっているのでしょうか?





加藤部長 弊社でいうと、催事は半期ごとに「半年のひと塊」になってまして、この半年を色んな企画で埋めるわけです。個々の企画はその半年ぐらい前に「企画出し」をして、スケジュールを作ります。実際に動き始めるのは実施の3カ月前ぐらいからでしょうか。



もちろん仕込みのためにバイヤーが半年以上も前から動いていたりとか、そういう企画もあります。





――企画自体はどうやって決めるのでしょうか?





加藤部長 それは各部で出すんですよ。食品部とか婦人服飾部とかですね。で上がって来た企画書を吟味してどれを行うか決めますね。売り上げ見込みであるとか、動員人数であるとか色んなファクターを見ないといけませんが。



――企画コンペですね。





加藤部長 まあそう言ってもいいかもしれません。ほかには、本部や外部から持ちこまれる企画もあります。例えば映画の公開に合わせて関連の展覧会を開催するとか。そういう「動員企画」も行いますよ。





■大人気テッパンの催事場企画





――「これは大丈夫、ハズレなし!」という人気テッパンの企画があったら教えてください。





加藤部長 そうですね。『私の針仕事展』。これは安心して見てられる企画です。すでに8回開催しています。





――どういった内容なんでしょうか?





加藤部長 キルトやパッチワークをされている、手芸が趣味な人がたくさんおられます。その方たちを対象に行う催事ですね。有名なキルト作家さんなどが作品を出展されたり、実際に販売を行ったりします。これはおかげさまで毎回ご好評を頂いております。







――どのくらいのお客さんが来られるんでしょうか?





加藤部長 直近の開催では8日間で50,000人のお客さまに来ていただけました。





――えっ! すごい数ですね。そんなに手芸趣味の方がおられるんですね。





加藤部長 そうなんですよ。みなさんご存じないかもしれないですが、キルトやパッチワークって女性にすごく人気があるんですよ。ほかにはですね、昨年の8月に行いました『羽海野チカ原画展〜ハチミツとライオン〜』。



これも大きな反響を頂きました。13日間で38,000人の方に来ていただけました。





――それは大人気ですね。





加藤部長 申し訳ないんですが、長い間並んでいただいてですね、会場に入りきれないものですから駐車場の方まで列がずうっと……。私どもも慌てて扇風機を持ってお客さまに当たっていただけるようにしたりとか。





――そこまで動員数が多かったのはなぜなんでしょうか。





加藤部長 「お客さまがお客さまを呼ぶ」ってことがあるんですね。最近ではtwitterが大変重要なツールで。例えば、羽海野チカ先生の原画展でも、「今こんな風になってるよ」とか「こんな絵が見られるよ」という風にお客さまがつぶやくと、それがどんどん拡散していってそれがまたお客さまを呼ぶんです。



あるターゲットにキレイに企画が当たった時には、その威力というのは莫大(ばくだい)なものがあります。twitterの力をあらためて思い知りましたね。





■池西と言えばバレンタインのチョコレート!





――なるほど。ほかにもテッパン企画はありますか?





加藤部長 池西(イケセイ=西武池袋本店)と言えばチョコレートです(笑)。バレンタインデーに関する催事では、毎年多くのお客さまに来ていただいております。今年は『チョコレートパラダイス2012』で、有名パティシエの方に来ていただいたり、著名店のみなさんに出店していただいたりで例年以上の盛り上がりでした。

――どのくらいの動員だったのでしょうか?





加藤部長 19日間で売り上げ5億円弱でした。





――5億円ですか! それはスゴイ!





加藤部長 ええ、おかげさまで大変な盛況でした。





――ほかの百貨店さんに企画をまねされたりとかしないですか?





加藤部長 いや、それぞれに得意な企画があると思うんですよ。例えば「京王さんと言えば駅弁大会」、これは業界でもそう言われてますし。東武さんは「北海道展」とか。企画のマネとかよりも、出店いただく方々のスケジュールの方が問題ですよね。



やっぱり出ていただきたいお店はかぶってきてしまうので。オファーがあちこちから来るとお店の方々は大変です。





――引っ張りだこの芸能人みたいですね(笑)。あそこの局に出るので、今回は出られませんとか。





加藤部長 ああ、そんな感じかもしれません(笑)。





■催事場の仕事は楽しい!





――これからどんな催事企画を開催したいと思いますか?





加藤部長 西武はかつて屋外催事場を使ったスポーツ催事などで人気があったんですよ。12年前ぐらいまでは『Do Sports! バーゲン』という催事をやっておりまして。最盛期には開催5日で15億円を売り上げるような大人気だったのですが。



最近はそういう屋外催事場でのスポーツ関係をあまりやっていないので、次世代の礎になるような、そういう催事ができたらなあと思いますね。私個人がスポーツ部の出身であるという個人的な思いもありますが。





――スキー、サーフィンが大流行していた頃ですね。





加藤部長 そうです。実はですね、今年のゴールデンウイークに、豊島園さんにお願いして場所を提供していただいて『SEIBU SPORTS inとしまえん エンジョイ・スポーツバーゲン』というの開催したんですよ。





そうしたら初日がもう土砂降りの大雨で。あんまり大雨なものだから豊島園さんも休園だ、と。





――遊園地は雨だと集客は厳しいでしょうね。





加藤部長 「ああ」と思って本当にガッカリしていたら、それでも200人ぐらいのお客さまが並んでくださって。あの時は本当に、思わず拝みたくなるような、涙が出るほどうれしかったですね。





――個人的なことをお聞きしたいのですが、加藤さんは催事場の仕事を楽しいと思いますか?





加藤部長 楽しいですね(笑)。企画ごとに開催期間があって、その区切りごとに売り上げが、集客がと結果が出て、反省点は次の企画に生かし、良かったらみんなで喜んで。そういうのが続いていくので、これは本当に楽しいと思っています。



お話を伺って「催事場の仕事って面白いかも」と加藤さんにすっかり感化されて帰ってきました。みなさんはどんな企画だったら百貨店の催事場に出掛けますか?





(高橋モータース@dcp)