1988年10月11日に米国でスタートしたナショナル・カミングアウト・デイが、今年で24回目を迎えた。この日はLGBT、つまり、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人々が自分たちの存在を訴え、カミングアウトできない人達を励まし、コミュニティー内のディスカッションを盛んにすることを目的として生まれた。


そして彼らのような存在を世間に知らせるのに、大きな役割を果たすのがセレブ。だが、自分がそうであることを認めることは、自身のキャリアが終わってしまう可能性があるため、ハリウッドでは今でも自分の性的指向について明らかにしていないセレブが多かった。しかし、近年はゲイであることを公言するセレブが増え、LGBTに対する理解が徐々に広まってきていることから、世間の認識は変わりつつある。

以下は、LGBTであることをカミングアウトしたセレブの一部と公表した年。

ミーカ(2012年)
自分の性的指向に関して長年沈黙を守ってきたシンガーソングライター、ミーカ。彼は今年9月、『Instinct>誌』のインタビューで初めて自分がゲイであることを告白した。

「ゲイかと聞かれたら、イエスと答えるね。僕の曲は全部男性との関係を書いたものかって? それもイエスさ。そして音楽には、言葉を超えて僕の性的指向を受け入れる強さがあることに気が付いたんだ。これが僕の本当の人生なのさ」

ミーカ「Grace Kelly(Extended Version)」

アンバー・ハード(2010年)
映画『ラム・ダイアリー』で話題を集めた女優のアンバーは、GLAAD(The Gay & Lesbian Alliance Against Defamation 、LGBTの人々の支援団体)の25周年を祝うパーティーで、「何かを否定したり、何かを隠したりしていることは、どこかで自分が間違っていると認めていることと同じだと思っているの。私は自分が間違っているとは思わないわ」と発言している。

GLAADの25周年を祝うパーティーに登場したアンバー(00:30頃に登場)


ザカリー・クイント(2011年)
人気TVドラマ『HEROES』に出演し、最近では映画『スター・トレック』への出演でも知られるザカリー。彼は長年ゲイではないかと言われていたのだが、2011年に『New York』誌で以下のようにコメントしている。

「ジェイミー・ロードマイヤーくん(ゲイであることでいじめられ、14歳で自殺した少年)が死んだことで、ゲイとして生活を送っていても世間に対して公言しなければ、完全な平等を目指すという大きな目標に対しては不十分だということが分かった。そして僕たちの社会は、全てのゲイやレズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人々が完全な市民権を得るための活動が存在することを認識する必要がある」

LGBTの若者の自殺防止に取り組むプロジェクト「It Gets Better」に登場したザカリー


ジョナサン・ナイト(2011年)
80年代に一世を風靡(ふうび)した人気グループ、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのメンバー、ジョナサン・ナイトは、同じく80年代にアイドルとして活躍し、かつて付き合っていた女性歌手のティファニーから、自分と付き合った後にゲイになったと告白されたことで、ゲイであることが明らかに。

ジョナサンはこれを受け、自身のウェブサイトで「僕は誰かにゲイだと言われる前に、自分でそう言っていたよ。20年前からそうさ。ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックが復活したからって、またこうして公にしなければならなくなるなんて思いもよらなかったね。僕は自分について常にオープンに語ってきたし、ゲイであることを隠したことは一度もないよ!」とコメントしている。

ジリアン・アンダーソン(2012年)
『Xファイル』で知られるジリアン・アンダーソンは今年、『Out』誌のインタビューで、多くの女性と関係を持った過去があると告白。現在44歳で3人の子供を持つ彼女はレズビアンのファンが多いが、女性と初めて関係を持ったのは高校時代だという。

高校時代には「一番変わっている人」、「一番逮捕されそうな人」に選ばれたというジリアン。「自分のことを100%同性愛者だと思っていたら、自分の人生は変わっていたのかしら。そして女性との行為を恥ずかしいと思っていたら、自分の中でそれがもっと大きな問題になっていたのかしら。自分は心のどこかで男の子も好きだと知っていたから、(自身の同性愛体験は大きな問題とは)ならなかったのね」と当時の自分を振り返っている。

結婚の権利を求め戦うゲイの共和党員たち