NAVERとDAUMに完敗したYahoo! 韓国でのサービス完全終了

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日本ではもっとも高い検索エンジンシェア率を誇るYahoo!だが、韓国では「NAVER」と「DAUM」の厚い壁に阻まれてしまったようだ。

「Yahoo! KOREA」は19日、韓国国内で展開する事業を終了することを電撃発表した。現在韓国で運営しているポータルサイトも、2012年末をもって終了する。Yahoo!コリアの関係者は、「本社から突然通告があった」とサービス終了は突然の決定だったことを明かし、「年末までに事務所と人員を整理する予定」と話した。

韓国のIT専門メディア「ZDNetKorea」によると、Yahoo! KOREAは1997年から韓国向けサービスを開始。90年代は同国の検索エンジンシェアでトップを誇り、検索システムや広告、電子メールなど、現在のポータルサイトが提供するサービスの「基本形」を作りあげた。しかし、NAVER(1999年6月サービス開始)とDAUM(1999年7月サービス開始)が登場すると、2000年以降は状況が一変。近年はこの2つのポータルサイトがシェア90%を獲得し、Yahoo! KOREAは0.25%にまで落ち込んでいた。

「ZDNetKorea」はYahoo!の撤退について、「富益富貧益貧(富む者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる)」化が進む韓国のインターネット業界の現状を表していると分析した。

以前、韓国にはNAVERやDAUM以外にもさまざまなポータルサイトが存在した。しかし、今年7月にはKTHがポータルサイト「paran」を閉鎖し、2011年には韓国の元祖コミュニティーサイト「freechal」が破産、「empas」は2009年にNAVERに吸収され、「netian」は2006年にサービスを終了するなど、次第にNAVERとDAUMの二極化が進んだという。現在韓国でサービスを行っているポータルサイトは、NAVER、DAUM、Googleの3つとなった。

韓国のインターネット業界の関係者は、「今のポータルサイト市場はNAVER天下」と指摘。「NAVERがモバイル市場でも急速にシェアを伸ばしているため、ほかの事業者は市場に進出する機会が無くなっているのが現状」と話した。「ZDNetKorea」はYahoo!の撤退について、「グッバイYahoo!…ポータル1世代、歴史の中に」(19日付)というタイトルで伝えた。

参照:Yahoo! KOREA
参照:ZDNetKorea

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