海外牛丼事情 (3) タイ「吉野家」、二度目の進出

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和食のファストフード、牛丼。

海外にも牛丼専門店が数多くあるが、それは、日本とはちょっと異なる点も多いのだった。

今回は1回目、2回目に引き続きタイ・バンコクの牛丼店を紹介する。

牛丼界きっての老舗であり、牛丼をファストフードの位置に定着させた立役者といえばこの「吉野家」。

1990年代に「吉野家」がバンコクに登場し、数年後には姿を消したことはタイ在住者には周知のことなので、昨年8月に「タイ1号店」をオープンしたとき、「おっ? 」という驚きをもって迎えられた。

現在では複数店舗展開しており、昨年12月にオープンした高級ショッピングモール「ターミナル21」4階にも出店している。

周囲にはカレーうどんの「古奈屋」など日本の外食チェーンが何軒も並んでおり、タイ人に大人気のフロアとなっているが、「吉野家」の前にももちろんちゃんと行列ができていた。

店内にはカウンター席はなく、テーブル席のみで広々。

席まで案内があり、メニューを渡される。

なんとなくファミレス風である。

客層はタイ人、日本人半々といったところか。

ここでは牛丼はマストとして、「牛焼肉丼」や「豚天丼」をチョイス。

値段は牛丼の並が109バーツ(約275円)、大盛りで139バーツ(約350円)、豚天丼にいたっては99バーツ(約250円)と、日本の牛丼より安い。

それでもタイの平均的な一品料理と比べると随分と高いが、先に紹介した「筋肉牛丼」や「牛野家」に比べると価格は抑え目。

そこは蓄積されたノウハウの差なのかもしれない。

従業員の訓練も行き届いているとみえ、店内は混みあっていたものの注文してから数分で料理が運ばれてきた。

以前の吉野家は、味も雰囲気も日本のそれと異なっており、「タイ人には高すぎる」「日本人には日本の味と違い過ぎる」というのが原因で撤退したという話だが、新生タイ吉野家は直営店でもあり、味はばっちり日本のまま。

頼みもしないのに激しくつゆだくだったことはサービスだったと思うことにしよう。

だが、問題は豚天丼である。

店舗の前に掲げられた映像でも牛丼だけでなく豚天丼の作り方をじっくり説明していたりして、相当な自信作だと思って注文したのだが、これがなんだか残念なことになっていた。

とにかくかたいのである。

天ぷらといえば衣はさっくりしていてほしいものだが、こちらの衣はなにか間違っているのではと思われるほどガリガリとかたく、肉もそれに負けないくらいの強度である。

日本の吉野家にないメニューだし、特にタイ料理やタイの食材との関連性もないので、なくてもいいのではないか。

豚天丼の衝撃に比べると焼肉丼は可もなく不可もなく、である。

しいて言えばちょっとしょっぱいのが気になるが、甘辛い味付けは好きな人も多そうだ。

他の牛丼店と違い、コンボやセットメニューが充実しており、またデザートメニューまであるので、女性や家族連れも気軽に訪れることができる、まさにファミレスである。