トルコの状況について

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シリアで続く内戦の影響が隣国のトルコにも及び、10月3日にはシリアからの砲弾によってトルコ市民に死傷者がでたことから、トルコ側もシリアに砲撃を行なうに至りました。

こうした事態を受け、3日にトルコ・リラが一時、対米ドルで1%程度下落したほか、地政学リスクの高まりなどを背景に、その後もリラが軟調となり、10日には一時、9月末比で約1.7%の下落となりました。

ただし、それ以降は値を戻し、17日時点でリラはほぼ9月末の水準を回復しています(対円では9月末の水準を上回る)。

今回の事態を受け、トルコは4日に、(必要が生じた際に)軍がシリアへの越境攻撃を行なうことを国会で承認しました。

また、シリアの内戦の早期終結が見込みづらいことも考え合わせると、トルコ国民に再び脅威が及ぶこととなれば、トルコ軍がこれに応じて行動するとみられます。

こうしたことから、不測の事態が両国による交戦に発展するリスクを完全に否定することはできません。

しかし、シリアが3日の砲撃について謝罪し、再発防止を約束していることなどから、これまでのところ、トルコは理性的な対応を続けています。

このため、金融市場での動揺も限定的となっています。

今後についても、シリアから新たに大きな脅威が及ばない限り、トルコ側が本格的な武力行使にでる可能性は極めて低いと考えられます。

また、トルコの軍事力を熟知しているシリアのアサド大統領が、トルコと衝突するようなリスクを自ら起こす可能性も、現時点では非常に低いとみられます。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

)なお、ファンダメンタルズ面では、過熱気味だったトルコの景気が軟着陸への軌道を進んでいることなどに伴ない、経常赤字が減少(改善)傾向となっています。

11日に発表された8月単月の経常赤字は、貿易赤字の減少と観光収入の増加などを背景に、前月比約▲71%の12億米ドルとなりました。

これにより、12ヵ月累計ベースの経常赤字は10ヵ月連続の減少(改善)となり、対GDP比では7%台後半と、1月の約10%と比べてかなりの改善となっています。

さらに、直接投資の純流入が続き、同国に惹き付けられる海外資金の拡大が示唆されていることもあり、格付会社がトルコの格付けの見直しを検討している模様です。

なかでも、トルコに対する格付けをBB+としているフィッチは、年内に結論を出す意向を10日に明らかにしています。

国境を接するシリアの内戦に終結の目途がついていないことなどから、今後も地政学リスクへの注意を怠れないものの、トルコの理性的な行動だけでなく、同国のファンダメンタルズの改善も、金融市場の動揺を比較的小さなものにとどめる要因であると考えられます。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

)(2012年10月18日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。

→「フォローアップ・メモ」