北海道のジンギスカン、生VS味付けどちらがおいしい?

写真拡大

北海道や東北の一部の郷土料理としておなじみのジンギスカンは、単なる羊の焼き肉と思うべからず。

実はこの料理、正しい食べ方、肉やタレの正しいチョイスを行うことによって、初めて最高の味わいになるのだ。

意外に奥が深いジンギスカンについてご理解いただき、北海道に来た際にはぜひご賞味を。

まずは独特の形状になっているジンギスカン鍋にご注目いただきたい。

円形で、中央部が盛り上がっている。

いきなり焼き方の説明になるが、鍋に火を入れ、熱した後に脂を満遍なく敷く。

次にいきなり肉を置いてはいけない。

まずは野菜を、鍋のふち側に置いていくのが正しい。

円形状に野菜を敷き終わった後、盛り上がっている鍋の中央部に肉を置いていく。

こうすることで肉汁が鍋の低い部分に流れ、野菜に染み込むのである。

生肉と味付け肉ではこの行程に若干の差があるけれど、これが基本的なジンギスカン鍋の使い方だ。

余談だが、ジンギスカンは日本独特の料理であることはご存じだろうか。

戦争で中国大陸に渡った日本軍の兵隊が、鉄かぶとを使って食材を焼いたことが、ジンギスカン鍋の発想につながったという説もある。

ジンギスカンをおいしく食べるには、鍋の使い方は大きなポイントだ。

料理で使用する肉は、おおむね柔らかいものが好まれることが多い。

羊肉は生後1年以内のラム、1年以上のマトンに分けられる。

ラムはマトンに比べて柔らかく、匂いも少ない。

特に生ラムは柔らかさ、少ない匂いともども最高位とされているようだ。

ついでにみずみずしさもNo.1と評される。

しかし、北海道民にはより風味(=匂い)のあるマトンの方が、しかも生ではなく、冷凍によって匂いが強くなった冷凍肉の方が好きだ! という人も少なくない。

生まれも育ちも北海道の筆者も冷凍マトン派だ。

昔に比べると少なくなったが、北海道では恐ろしいことに家の中でジンギスカンをやることも多かった。

筆者がまだ子どもだった頃(昭和50年前後)は、月に一度は親戚などが集まって室内ジンギスカンをやっていたものだ。

そういう環境で育ったせいか、本州の人々に比べて羊肉独特の匂いには鈍感になっている。

その分、より風味の強いマトン派なのだろうと自己分析する。

羊の匂いが苦手じゃない人には、個人的にはマトンを推したい。

ジンギスカンには焼いた肉をタレにつけて食べるタイプと、最初からタレに漬け込まれた味付けタイプがある。

ちなみに前章で紹介した生と冷凍とは違う意味合いで、この章では味なしを「生」、味付けをそのまま「味付け」と表記させていただくことをお許し願いたい。

生はより羊肉のうまみをダイレクトに楽しむことができ、味付けは肉汁だけでなく、肉を漬け込んだタレも野菜に染み込み、鍋に乗った全ての食材に一体感が生まれる。

肉、野菜がそれぞれ単独で攻撃してくる生に対して、肉や野菜が一体となり攻めてくるのが味付けだ。

どちらも非常においしく、自分で記事にタイトルをつけておきながら、「そんな難しい選択はできない」という結論になってしまう。

北海道には数多くのジンギスカンの店がある。

オススメを選ぶのは難しいが、北海道ならではという特徴のある店をいくつか紹介したい。

まず、1953年創業の老舗店「ツキサップじんぎすかんクラブ」。

肉は創業以来一貫してマトンを使用しており、タレはしょうゆベースでスパイシーな風味。

羊肉のおいしさをしっかり感じられる、さすがは老舗という味だ。

味付けで選ぶなら、こちらも1956年創業以来味付けジンギスカン一筋の老舗「まつじん」こと「松雄ジンギスカン」。

本店は滝川で、北海道なら札幌や砂川、富良野などにも店舗がある。

ニンニクを使わない漬けダレは、味だけでなく素材の安全性にもこだわっている。

昔から「ご飯がすすむ味」を大切にしているそうだが、実際マツジンでご飯を食べ過ぎてしまうのは筆者だけでないだろう。

また、札幌にはビールを飲みながらジンギスカンを食べることができる巨大施設「ビール園」というものがいくつかあり、観光スポットのひとつになっている。

ススキノのはずれにある「キリンビール園」で用意されている、生、味付けを同時に楽しめるオキテ破りの食べ放題コースは見逃せない。

どちらも楽しみたい人には天国だ。

「本館中島公園店」は地下鉄でアクセスもしやすく、約500人収容できる大空間も北海道らしさを感じることができる。

さあ、あなたは生と味付けどちらのジンギスカンを食べるだろうか?