今から13年後の2025年、日本や世界は一体どうなっているのでしょうか。先日、中国の人口が2025年にピークを迎えるといったニュースが流れました。14億人に達した中国の人口は、その後縮小を続け、21世紀末には5〜9億人にまで減少するとのこと。

 ロンドンのビジネススクール教授で、英タイムズ紙が選んだ「世界のトップビジネス思想家15人」に選ばれたリンダ・グラットン氏も、2025年になった時、私たちはどのように働いているのかと、書籍『ワーク・シフト』のなかで、「働き方」について分析しています。

 その中で、興味深い一つの考え方がありました。

 未来の世界で成功するためには、広く浅い知識や技能を蓄えるゼネラリストのままではいけません。専門技能の習得が求められるのです。

 「ゼネラリスト=いろいろな分野の知識や能力をもっている人」

 ゼネラリストの利点は、広く浅く知識や技能を持っているので、そのうちのいくつかが価値を失ってもダメージは少なくいれました。多くの場合、ゼネラリストたちは、一つの会社・一つの業界で働き続ける「会社人間」。そのおかげで、自分の会社のことを熟知し、会社の代弁者ともなれるほどに。社員がそういった忠誠心を会社に誓うのと引き換えに、会社は終身雇用を保障していたので、双方の関係が成り立っていました。

 しかし、こうした旧来の終身雇用の契約は崩れはじめています。ゼネラリストがキャリアの途中で労働市場に放り出されることが珍しくなくなりました。そうなった時、一つの会社・一つの業界のことしか知らず、広く浅い知識・技能しか持ち合わせていないゼネラリストは、市場で価値を見出すことができるのでしょうか。広く浅い知識の持ち主の最大のライバルは、ウィキペディアやグーグル・アナリティクスなど、浅い知識や分析結果を手軽に提供するテクノロジーの数々です。

 「ゼネラリストからの脱却は、ある意味で産業革命以前の職人仕事の時代への回帰でもある」とリンダ・グラットン氏は言います。しかし、単純に職人になるだけでは未来を生き抜けません。

 「いま必要とされているのは、昔の職人のように自分の専門分野の技能と知識を深める一方で、ほかの人たちの高度な専門技能と知識を生かすために人的ネットワークを築き上げることだ。産業革命前とは比較にならないほど仕事の内容が複雑化しているので、いくら専門技能や知識があっても一人では仕事を仕上げられない。ひとことで言えば、私たちには、産業革命前の職人のような専門性と、産業革命以降の分業体制の両方が求められるのだ」

 リンダ・グラットン氏は、高い価値を持つ専門技能についてのヒントも同書に残しています。「その技能が価値を生み出すことが広く理解されていること」「その技能の持ち主が少なく、技能に対する需要が供給を上回っていること」「その技能がほかの人に模倣されにくく、機械によっても代用されにくいこと」の三条件です。

 確実にやってくる2025年の世界、その時を30代で迎えるのか、40代、50代とそれぞれ危機感は違うかもしれません。しかし、先を見据えて自分の働き方を模索することは、今の私たちにとって必要不可欠なことだと言えそうです。



『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』
 著者:リンダ・グラットン
 出版社:プレジデント社
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