目標は全部実現してはいけない?

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 どうすれば自立できるのか。年齢による自立や経済的な自立、「自立」といってもさまざまだが含まれているが、“精神的な自立”という意味での自立に必要なことは、どのようなことなのだろうか。

 『お父さんから愛するキミに贈る本』(白坂慎太郎/著、文芸社/刊)は、著者の白坂氏がまだ奥さんのお腹の中にいる子どもに向けて「どうすれば自立できるのか」ということについて、自分の経験談を書いた一冊だ。

 本書を読み進める上で3つの大切なことがある。
 1つ目は「何が正しいか」を追求した本ではない。
 2つ目は自立していない人を非難するために書いた本でもない。
 3つ目は成功者たちが語っていることと真逆にことを書いてあることも多い。
 この3つだ。本書だけではなく、成功者たちの本も同時進行で読んで、どんどん混乱してもらいたい。その混乱が整理できた時が自立した時だと白坂氏は語る。

 学生時代は勉強が苦手だったという白坂氏は、大学卒業後、学習塾の講師として7年勤務した後、独立して学習塾を創業する。その後、この創業した塾を手放し、新たに「太陽進学塾」を設立。現在は、経済的な自立または精神的な自立を目指す成長意欲の高い人にコーチングを行うことで、自立人財の育成に貢献している。
 この間には、最初の結婚と離婚、再婚、祖父の死、恩師との出会い、中小企業診断士試験受験などさまざまな経験をする。

 このような半生を駆け抜けてきたなか、目標を持ち始める前と後では、「目標を持つことですべてが始まった」と言うほど変わったという。そんな白坂氏が目標を立てるときに大切にしていることがいくつかある。

・目標は高ければ高い方がいい。
・目標は絶対に人に話さない。
・目標を上に固定するよう工夫をする。
・複数の目標をバランスよく持つこと。
・自分が掲げた複数の目標のすべてを実現させてはいけない。


 白坂氏はこの5つをあげ、その5つ目の「自分が掲げた複数の目標のすべてを実現させてはいけない」が最大のポイントとしている。
 もし設定した目標をすべて達成してしまうと、本人としては完全に成功してしまったことになる。そうすると自分の方法が唯一正しい方法のように思い始めてしまい、周囲の人にそれを教え始め、その人はまたしても自分が成功したのと同じ方法を繰り返してしまう。
 常に変化し続ける社会では、一度成功した方法がまたうまくいくとは限らない。むしろ、「成功ほどの失敗はない」ということになる。白坂氏は「なかなか成功しない方が、かえっていい結果をもたらす」という逆説を真実だと考え、いつも未達成な目標が残り続けている状態が理想的なのだという。

 目標を立て、その実現に向けて努力して生きる。
 この経過の中で、自立するということはどういうことなのかが見えてくるだろう。
(新刊JP編集部)