業績バツグンの割安株
河合流ハイパースクリーニングの第1弾は、王道の好業績割安株。
株価急騰というよりは、下値不安が少なく、手堅い上昇を狙いたい。
基本を押さえて、条件設定や銘柄選別のコツをつかもう。


まずは王道の条件から コツは緩めの条件設定

「相場上昇の初動段階では割安な好業績銘柄が買われる傾向にある」と河合さん。そこで、最初に設定したスクリーニング条件は左記の通り。まさにスクリーニングの王道ともいえる条件設定だ。

今期の20%増益という数字は、1部上場企業全体の通期予想が20%の経常増益であるため。一方、来期を単に増益と緩めに設定したのは、前期が19%の減益だったため、来期に増益を達成して初めて、震災前の利益水準に戻ったと判断できるからだという。また、PERを25倍と緩めにしたのは、キツめに設定してしまうと、不人気銘柄が多く入ってきてしまうためだ。

「スクリーニングのコツは、あまりガチガチの条件にしないこと。条件を厳しくしすぎると、有望な銘柄がその時点でカットされてしまうからです。銘柄数が多すぎた場合は、そこから少しずつ条件をいじっていけばOK」(河合さん)

スクリーニングで出てきた銘柄群の中から、?旬な業容・業態かどうか、?今期と来期の増益率とPERのバランス、?テクニカル、の3つでさらにふるいにかけ、絞り込むというのが河合流ハイパースクリーニングだ。

金 カシオ計算機
東証1部・6952

時計やデジカメの大手。時計は中国を中心にアジア圏で販売が拡大中。デジカメは利益率の高い高価格帯商品が伸びており、今期経常利益は164%増の予想と絶好調。来期も20%超の増益が見込める。株価は日経平均が1万円超えしていた3月下旬の高値とほぼ同水準まで上昇しており、年初来高値の更新も間近。PER14倍台とさほど割安感はないが、継続した利益成長が見込めるため、まだ十分上値余地がありそう。

銀 トヨタ紡織
東証1部・3116

自動車シート最大手。トヨタ自動車の関連会社だけに、トヨタ向けが9割超と高いが、トヨタ以外の売り上げを拡大していく方針だ。トヨタ自動車の年間生産台数の上方修正を背景に、今期は5割の経常増益、来期も2ケタ増益と好調を維持する見通し。にもかかわらず、PERは10 倍台。環境対応車では車体重量を軽くする必要があるが、その点でも同社の活躍が予想される。まずは8月高値の989円奪回が目標。

銅 シチズンホールディングス
東証1部・7762

時計大手だが、デバイス・電子機器も売り上げの3割程度を占める。業績の足を引っ張ってきたデバイス部門が、不採算事業の整理など業務の再構築によって復調してきたのがポイント。主力の時計販売も中国向けが好調で、今期・来期とも2割程度の増益予想となっている。戻り歩調だった株価は、現在はやや調整気味。PERは11倍台と、増益ペースに対して割安感がある。目先は500円の大台を目指す展開か。

※データは2012 年9 月10 日現在の株価(終値)によるもの。
今期・来期増益率は経常利益の伸び率で、QUICK コンセンサスの予想値。



河合達憲(TATSUNORI KAWAI)
カブドットコム証券 チーフストラテジスト

中堅証券調査部を経て、カブドットコム証券へ。大手ネット証券ならではのスクリーニングシステムを駆使して、上がるべき銘柄を徹底的に洗い出す。浮かび上がった銘柄リストにさらにチューニングを加え、注目銘柄をしぼり出していく。本人いわく、「これがビンゴスクリーニング!だ」


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この記事は「WEBネットマネー2012年11月号」に掲載されたものです。