【松岡賢治のマネーtab】「リフォームローン一体型」住宅ローンのメリットについて考える

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   マイホームを購入する際、中古住宅を選択する人が増えている。物件価格や購入に関わる諸費用が新築よりも格安であることが最大のメリットだが、リフォームの技術やデザイン性がアップしたことも要因となっている。しかし、中古住宅を購入してリフォームをしようと考える人にとって、大きな問題が1つある。それは、リフォーム費用をローンで借りる場合、住宅ローンとは別に「リフォームローン」を借りなければならないからだ。

 通常、2500万円の中古住宅を購入し、500万円でリフォームをしたとすると、2500万円を頭金+住宅ローンでまかない、別途、500万円のリフォームローンを組むことになる。だが、リフォーム用のローンは、住宅ローンよりも利率が高く、期間が短くなる。その理由は、住宅ローンと違って、リフォームローンは無担保となるため。融資期間は10年から長くても15年となるのが一般的。利率も、自動車ローンよりも高く、フリーローンよりも低くなるのが相場である。例えば、みずほ銀行のリフォームローンは、最大500万円で借入期間の最長は15年。利率は、変動金利で3.975%、10年以下の固定金利では4.600%だ。借り入れ期間、利率とも、リフォームローンとしてはリーズナブルな部類。だが、同行が提供している住宅ローンは、変動金利0.875%、10年固定は1.400%(いずれも最低水準。10月中旬時点)となっており、リフォームローンの利率の高さは一目瞭然である。

■変わりつつある「リフォームローン」の条件 

 中古住宅は、担保価値を低く見積もられてしまうため、ローンを組むときは一定以上の頭金が必要となる。その上、利率の高いリフォームローンを組まなければならないので、リフォームの金額次第では、ローンの負担がかなり大きくなる。リフォームローンは、住宅ローンを借りる金融機関と同じ金融機関で借りるため、リフォーム金額によってローンが組めなくなる人も少なくない。そのため、安い新築物件に切り替える人も出てくるようだ。こうしたリフォームローンの条件の悪さは、中古住宅市場がなかなか拡大しない要因のひとつでもあったのだが、それを改善するローンが登場し始めている。リフォームした部分について、不動産の担保価値を認めようという動きだ。

 みずほ銀行は、特に商品化をしていないが、「中古住宅購入代金」と「リフォーム費用」をまとめて一本の住宅ローンで利用できるようにしている。ローンの条件は住宅ローンに準じている。また、住宅金融支援機構と金融機関が組んで提供する『フラット35』でも、住宅ローンとリフォームローンをまとめて借りられる商品が出てきた。SBIモーゲージの『SBIフラットリフォーム』は、住宅ローンは、返済期間15〜20年全期間固定で1.60%、返済期間21〜35年全期間固定は1.88%で提供し、リフォームローンは、返済期間15〜35年変動金利型2.675%(融資保険関連手数料)で提供している。中古住宅の購入時にリフォームを行なうことを前提で、リフォーム代金は1500万円までが対象で、融資枠も大きい。

 また、イオン住宅ローンサービスでも、『【フラット35】リフォームパック』という一体型のローンを販売している。住宅ローン部分は、フラット35の固定金利型で、リフォームローン部分は変動金利型となっている。ローンは、表面的な利率だけでなく保証料などのコストがかかるため、実際の利用にあたっては、融資条件を細かくチェックすることが必要だ。最近、築年数は古いが、床面積は広く、天井が高い中古マンションを購入して、大規模なリノベーションをする若い夫婦も増えている。物件価格を抑えた分を、リフォーム費用に充て、自分たちが望むタイプの住宅を低コストで入手するという発想だ。リフォーム費用は増加傾向にあるため、リフォームローン一体型の住宅ローンに対するニーズは高いだろう。ラインナップの拡充が待たれるところだ。

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。