マネーのトリビア (31) 「ヘッジファンド」って何?

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ヘッジファンドについて、はっきりした定義はありません。

大口の資金を運用する運用会社といったところでしょうか。

ファンドというのは、投資家から集めた資金を専門家が運用する仕組みです。

一般の人が証券会社や銀行で買うことができる投資信託もその一つで、誰でも少ない金額で(たいていは1口1万円前後)で買えます。

一方、ヘッジファンドの顧客は、政府や年金、大学の資金などを運用している機関投資家や富裕な個人など、いってみればプロの投資家です。

ヘッジファンドを利用するには、一般的には、最低でも数百万円から1億円といった多額の資金が必要です。

投資信託は不特定多数向けなので、各ファンドの中身は公開されていて、運用に関してはさまざまな規制があります。

また、運用成績によしあしに関わらず、手数料は各ファンドごとに一定です。

それに対してヘッジファンドは、運用に対する規制はほとんどなく、情報を公開する義務もありません。

運用実績に対してその○%という形で成功報酬を受け取るのが一般的です。

ヘッジファンドが目指すのは”絶対的収益”。

経済状況がよくても悪くても、利益を上げることです。

そのためにさまざまな手法を駆使して運用します。

例えば、株などに投資する場合、通常は、値上がりすると見込んだものを買って、価格が上がったところで売って利益を得ますが、ヘッジファンドは、値上がりをねらって買うだけでなく、値下がりしそうな株に対しては、その株を借りて売っておき、値下がりしたところで買い戻すという”空売り”の手法を使います。

こうすることで、投資信託などは値上がりしたときしか利益が得られないのに対して、ヘッジファンドは値下がりしたときにも利益を得ることができます。

このほかにも、デリバティブと呼ばれる複雑で高度な運用手法を使い、実際に持っている資金の数十倍、数百倍もの金額で取引して大きな利益をねらいます。

投資対象も株や債券だけでなく、通貨や不動産、金や原油、小麦などの商品など幅広くなっています。

1992年に、アメリカの有名なヘッジファンドが英国ポンドに大量の空売りを仕掛けて暴落させ、大きな利益を得たり、ノーベル経済学賞の受賞者2人を含むヘッジファンドが大成功したにもかかわらず1998年に破たんしたりするなど、ヘッジファンドが大きな話題となったことがありました。

最近では、リーマン・ショック後の世界的な経済危機で多くのヘッジファンドが資金難に陥り、その後の世界経済の低迷で、ヘッジファンドもかつてほど利益を上げられなくなっているといわれます。

その一方で、多くの機関投資家が運用難に直面しており、ヘッジファンドへ資金が流入するだろうという予測もあります。

いずれにしても、大きな資金を動かしているだけに、今後もヘッジファンドが金融市場に影響を与えることはあるでしょう。