最近の面白い軍事テクノロジーについて




軍事マニアというのは意外に多いものです。不謹慎のそしりを受けるかもしれませんが、軍事関連の情報は知れば知るほど奥が深く面白いのです。昨今のミリタリー関連の面白い話をご紹介しましょう。



■中国の空母の現状



日本やベトナムなどを相手に海でさまざまなあつれきを生んでいる中国は、アメリカ、日本などと張り合える外洋戦力を整えるのに必死です。その1つが航空母艦(空母)の保有です。中国は今、旧ソ連の中古空母『ワリヤーグ』を購入して一生懸命改装工事をやっています。







●飛行機は着艦できるのか!?



しかし、ロシアの軍事技術の盗用を頻繁に行うため、空母に絶対必要なアレスティング・ワイヤー(飛行機が空母に着艦するのに使います)の引き渡しをロシアから拒否されました(付けてくれませんでした)。ほかにこの技術を持つアメリカ、イギリスも中国に技術供与をしません。



非公式な情報では、アレスティング・ワイヤーはスウェーデンから購入して解決するとしていました。「飛行機が帰って来られない空母って」と軍事マニアはニヤニヤしながら見守っていましたが、2012年3月の情報ではどうもアレスティング・ワイヤーが改装中の空母に装着されたとのこと。



ただ、その後の進展が聞こえてこないので、さあどうなることやら、なのです。



というのは、アレスティング・ワイヤーというのはノウハウの塊なのです。時速数百キロというスピードで空母に着艦しようとする飛行機は、フックを出して、空母上に設置されたこのアレスティング・ワイヤーをひっかけて減速し、止まります。



つまり、数百キロのスピードのものをやんわりと受け止めなければならないわけです。容易に想像できると思いますが、ピンと張ってるだけではフックが折れますし、ガクンとなって飛行機の搭乗員の首が折れるとか、飛行機が壊れますね。



ワイヤーがググっと適度にたわみながら着艦する飛行機を止めなければなりません。いまだかつて空母を保有したことのない中国にとっては大きな技術的ハードルです。



●カタパルトはどうするのか!?



また、飛行機を発進させるのに必要なカタパルトという装置があります。『機動戦士ガンダム』の「アムロ行きまーす」の時に使われる、ガンダムの足にはめて、進行方向に動いてガンダムを打ち出す装置がありますね。あれがカタパルトです。



空母では甲板から飛行機を空に放り出すこのカタパルトが必要なのですが、このロシア製中古空母にはこれも付いていません。中国は西側で使われている蒸気式カタパルトではなく、(いわゆるリニアモーターによって駆動する)電磁式カタパルトを独自開発するとしています。



「西側の民間技術を使い」などという大変に虫のいい話ですが、さてうまくいくでしょうか。電磁式カタパルトはアメリカ、イギリスが開発中でいまだ実物は完成していません。ちなみに、2007年には中国系アメリカ人のチ・マクなる人物が当該技術を中国に不正に持ち出したとして有罪となっています。







●信じられないくらいの低速では!?



さらにエンジンの問題もあります。もともとは、主機は蒸気タービンエンジン4基4軸(エンジン4基でスクリュー4軸を回す)の設計で、もちろんエンジンが設置されていたのですが、中国に引き渡す段階では撤去されています。



中国は蒸気タービンエンジンの独自開発に失敗しているため、低出力のディーゼルエンジンを搭載したという観測があります。その場合、この空母の速力は時速20ノットを下回るのではないかと推定されます。そんな低速な空母は聞いたことがありません。



第二次世界大戦時に日本が保有していた空母『赤城』でも最大速力は32ノット。アメリカの通常動力の空母『キティホーク』(2009年に退役)は最大速力32ノット、昨年の3.11の際にトモダチ作戦に参加した原子力空母『ロナルド・レーガン』では30ノット。



日本の60年以上も前の空母よりスピードが出ないことになります。2012年7月30日の段階で9回目の航行試験を終えたとのことですが、(軍事情報であるため)速度などの情報は漏れてきません。もちろんアメリカの情報機関はつかんでいるでしょうが色んな意味で気になるところです。







●エレベータテストを実施



2012年8月20日のニュースによると艦載機を上げ下げするエレベータのテスト写真を公開しました。『殲-15艦載機』の模型を使って行ったとのこと。空母の甲板の下は飛行機の格納庫になっています。空母で飛行機を運用するには、甲板と格納庫の間で飛行機の出し入れを行う必要があります。



そのために飛行機が乗せて上下する巨大なエレベータが付いているのです。この空母は2012年に就役予定となっていましたがこの様子では難しいようです。実際の艦載機を搭載しての試験運用までまだかなりの時間を要するでしょうし、またこの空母を戦力化するまでには(うまくいったとして)10年単位の時間がかかるでしょう。







■いよいよSF! 宇宙からドン!



『神の杖』というアメリカの計画をご存じでしょうか。直径30cm、長さ6.1m、重さ100kgの劣化ウラン製(タングステン製あるいはチタン製も想定されている)の金属棒に小型のロケットを取り付け、地球を周回する軌道上のプラットフォームから地上ターゲットに向けて発射し、破壊するというのです。



この金属棒の落下スピードは時速1万1587kmにもなり、防ぐことは不可能。もうこうなるとSFの世界です。



■中国の対アメリカ空母艦隊兵器の構想



米軍が持つ、空母を中心とする機動部隊は世界最強の打撃力を持っています。これを寄せつけないために中国が新しい兵器のコンセプトを提唱しています。対艦弾道ミサイル(Anti-Ship Ballistic Missile/ASBM)と呼ばれるもので、空母機動部隊を弾道ミサイルで撃破しようというのです。







そもそも米空母艦隊がどこにいるのかを特定する能力はあるのか(有事の際には居場所を秘匿して行動するため)、またきちんとそこに当てる能力はあるのかといったツッコミがあちこちからされています。



■日本のミサイル迎撃能力



周りの国が大変に物騒なので日本は備えなければなりません。先日の北朝鮮のロケット発射騒動(2012年4月13日)の際には、パトリオットPAC3の移動配備、イージス艦の出動が行われました。日本はアメリカと共同で(弾道)ミサイルの迎撃能力を磨いてきました。



2010年10月29日には日本のイージス艦きりしまがハワイ沖での中距離弾道ミサイルの迎撃実験に成功。2011年4月15日には米イージス艦オ・カーンが中距離弾道ミサイルの迎撃実験に成功しています。米軍ではさらに迎撃ミサイルの改良を続けており、『SM-3ブロック2』では大陸間弾道弾(ICBM)を迎撃可能と言われています。







■いまだに正体不明の米軍ステルスヘリコプター(?)



2001年の9.11以降、世界中で探されたオサマ・ビン・ラディンが、アメリカ軍の急襲によって殺害されたのは2011年5月2日。そのニュースはスグに世界に伝えられましたが、その陰で世界中の軍事マニアがビックリしたことがありました。







この急襲作戦でアメリカ軍のヘリコプターが墜落したのですが、そのヘリコプターの尻尾部分、テイルローターと呼ばれる部分が今まで誰も見たことがない形をしていたのです。ヘリコプターは、尻尾部分に付いている小さなプロペラ=テイルローターで機体を安定させています。



これがないとヘリコプターは水平方向にクルクル回ってしまいます。墜落した機体の残骸のテイルローターはその羽(ブレイド)が独特で、その上にカバーが付いた形状でした。このようなスタイルのテイルローターを持つヘリコプターを米軍が有していることなど、公表もされていなければ、誰も知らなかったのです。



カバーに関しては「静音効果」があるものと目され、軍事関連ウォッチャーからは「これは米軍がひそかに開発していたステルスヘリコプターではないか」という意見が出ました。米軍はいまだにこの件に関しては沈黙を守っています。



そのためこのヘリコプターは謎です。面白いのは、まったく正体不明なのに想像でこのヘリコプターのプラモデルが発売されたことです。ちなみに、いち早く商品を出したのはドラゴン模型という香港のメーカー(笑)。中国の人は素早いですな。









(高橋モータース@dcp)