「ツバメが低く飛ぶと雨」は本当か? 天気のことわざを調べてみた




明日は晴れる? それとも雨? それを知るひとつの指針となるのが、天気にまつわることわざです。日本には多くのことわざが存在しますが、それらは根拠があるのでしょうか。気象予報士であり紙芝居師でもある「くぼてんき」さんに、お話をうかがいました!



■ツバメが低く飛ぶと雨



――有名なことわざですが、これは根拠があるのですか?



「これはわかりやすいですよ! 雨が降る前は、空気中の水分が多くなる(湿度が高くなる)でしょ? そうすると、昆虫たちの羽や体が湿気を含んで重くなり、高く飛べなくなってしまう。その低く飛ぶ昆虫を食べるため、ツバメも低く飛ぶというわけです」(くぼてんきさん)



なるほど! ツバメたちはそろそろ南へ帰る時期なので、春になってツバメたちが戻ってきたら、観察してみましょう。



■鐘の音がよく聞こえると雨



――音の伝わり方と天気には、どんな関係があるのでしょうか?



「音は、温度の高い方から低い方へ曲がる性質があります。晴れの日は地表の温度が高くなるため、音が上に逃げてしまうのですが、雨が降る前は上層と下層の温度差が晴れの日よりも小さくなるため、音が上層へ逃げにくく、音がよく通るんです。



天気が崩れる前は、鐘の音に限らず、さまざまな音がよく聞こえるはずですよ」



そういえば、毎朝6時にお寺から聞こえてくる鐘の音も、日によってビミョーに違うような……!?



■茶わんのご飯粒がきれいにとれると雨



――ご飯粒のとれ方も、天気にかかわるのですか?



「これまでのことわざもそうでしたが、湿度の高低は翌日の天気を左右します。



空気が乾燥していると、ご飯の表面がすぐ乾いてしまって、お茶わんにくっついてしまう。逆に湿度が高いと、ご飯粒が湿ったままなので茶わんにくっつかず、スムーズに取れるということだと思います。



雨が降る前は湿度が上がりますから、最後の一粒もキレイに取れるということでしょうね」



ということは、秋から冬にかけては、ご飯を最後まで食べるのに少し苦労するかもしれませんね。



■ヒツジ雲が出ると雨



――ヒツジ雲を見ると、「秋だなぁ」なんてしみじみ思うのですが、これも雨の前兆なのですか?







「まるでヒツジの群れのように見えることから、ヒツジ雲と呼ばれています。



これは、高積雲といわれ、高度2〜7km程度という空の中間の位置にできる雲です。



なぜこのような模様を描くかというと、上空で空気の入れ替え(対流)が始まっており、低気圧や前線が近づいているから。



おみそ汁って、冷め始めると、みそがまだら模様を描くでしょ? あれは、上澄みが冷め始めたために、おみそ汁の中で対流が起こるからです。それと同じなんですよ」



おみそ汁のモヤモヤとヒツジ雲が同じ原理とは! 気象が少し身近に感じられますね。



■夕焼けは晴れ、朝焼けは雨



――夕焼けを見ると、「明日は晴れるな」と思いますが、それは正しい考えですか?



「単純な解釈をすれば、天気は偏西風の影響で西から東へ移動しますから、西が晴れていれば翌朝はこちらも晴れるだろうということですね。



逆に朝焼けは、東の空が晴れている(高気圧がある)ということなので、西からは次の低気圧が近づいているサインなのです」







同じ赤い空でも、朝と夕方とでは、理屈が異なるのですね! 知りませんでした……。



雨を予想することわざばかりでしたので、最後は晴天を予想することわざをお願いします。



■炭火がよく燃えるのは晴れ



「ご存じの通り、炭は目に見えない穴がたくさんあり、湿気やにおいを吸着する作用があります。よって、湿気を多く含んでいれば着火しづらく、逆にあまり含んでいなければよく燃えるというわけ。



昔は炭火で調理をしていましたから、炭火の燃え方をよく観察していたのでしょうね。



ただ、夏場は湿気が多くても晴れることが多いので、このことわざは晩秋から春にかけてのみいえるでしょう」



バーベキューなどで火をおこした経験のある方は、非常に納得できることわざかもしれませんね。



天気予報などなかった昔、人々は小さな自然の変化や身近に起こったささいな出来事から翌日の天気を予想し、このようなことわざを生み出したのでしょう。



昔の人の経験と知恵が詰まった「ことわざ」。あなどってはなりませんね!



くぼてんき







気象予報士と防災士の資格を持つ紙芝居師。東京都が認定する大道芸人ヘブンアーティストのライセンスを持つ。小学校や幼・保育園、また各種イベントなどで、天気や環境などをテーマとした紙芝居や講演などを行っている。



(OFFICE-SANGA 百田カンナ)