『大阪アースダイバー』

大阪維新の会の人気は凋落傾向だが、それにひきかえ大阪のおばちゃんたちは今日も元気だ。この元気さの理由を意外な深さで解明した本が、中沢新一氏の『大阪アースダイバー』(講談社刊)だ。2012年10月11日、発売された。

東京を舞台にした前作の『アースダイバー』(2005年)は、「地形×歴史ブーム」を巻き起こしたが、著者は、現地を踏破しながら無意識を含んだ四次元地図を作成する作業を、「アースダイバー」と名づける。

あなたは「海民」系?それとも「河内の先住民」系?

本書では、地質の変遷を示す「第四紀地図」、遺跡の発掘記録と現代の市街図が組み合わされて、土地のもつ「深層」が明らかにされる。人類学、民俗学、歴史学、心理学などあらゆる知が、著者の心の奥底で出会い、一つの大きなストリームが形成されていく過程は実にスリリング! 中沢学の真骨頂だ。

大阪は5000年前にはほとんどが海面下にあり、南北に走る細長い上町台地が、古くからの陸地だ。その南北軸に、東の生駒山脈から発する「死のパワー」が、東西方向に力を加え、東西と南北の座標軸が、大阪の基礎をつくっていると中沢氏は分析する。そしてその交点にある四天王寺が、大阪の中心である。

また、キタやナニワは砂州の上に成立し、そこで浮遊する商業都市を発展させた。またミナミは、普通の世界では離れているものを一気に結びつけることで発生する「笑い」を発展させることになる。それが、今日の吉本興業に?がっていることを本書は解明する。

かつて半島から大阪に到達した「海民」たちと、河内の先住民の出会いとはどのようなものだったのか?

本書はこのように、著者の想像力のなかで、大阪の土地と歴史のもつパワーが縦横に交錯する、稀有な本だ。

もしあなたが関西出身なら自分がどのタイプか分析するのも楽しいはず。この秋は大阪のパワーを肌で感じるアースダイビングはいかがだろうか。

もちろん、お好み焼きとたこ焼きつきで?!