南アフリカの状況について

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南アフリカでは8月中旬、賃上げを求めてストライキ中だったプラチナ鉱山労働者に対して警官隊が発砲し、100人を超す死傷者がでました。

この事件をきっかけに、他の鉱山にも賃上げ要求の動きなどが広がったほか、製造業においても労働争議が見られるようになりました。

また、こうした事態を受け、格付会社のムーディーズは9月27日、政府の統治能力が弱まっていると指摘し、同国の長期国債格付を「A3」から「Baa1」へ1段階引き下げたほか、格付の見通しを「ネガティブ(弱含み)」で維持しました。

さらに、10月5日に、大手鉱山会社がストに参加した従業員1万2千人の解雇を決定すると、労使間の対立が一層激しくなりました。

そして、週明けの8日に南アフリカ・ランドは一時、1米ドル=9ランド近くまで売られ、9月末比で約8%の下落となりました。

しかし、足元では、欧州の政府債務問題を背景とする投資家のリスク回避姿勢が再度、強まりつつあるものの、ランドは8.7ランド前後へと反発し、9月末以降の下げ幅の3分の1程度を回復しています。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

)南アフリカでは、今年12月の与党ANC(アフリカ民族会議)の党大会において、2014年の大統領選挙の前哨戦とされる党首選挙が行なわれます。

足元でストが拡大したのは、こうしたタイミングと関係しているとの見方もあり、少なくとも、同党大会までは、同国に関する話題がこうした扇情的なニュースに引き続き集中する可能性があります。

また、これまでのところ、南アフリカ・ランドの軟調の主な背景はストであるとみられているものの、ストの広がりや長期化が、経常赤字など、同国の抱える構造問題に投資家が改めて注目するきっかけとなる可能性も否定できません。

こうしたことから、警戒は怠れないものの、賃金交渉の妥結や、ストの沈静化などの報道も増えつつあり、党大会の終わる年末までには、事態が落ち着く可能性も考えられます。

また、南アフリカの国債が、世界の国債市場の指標として広く利用されている指数である「シティグループ世界国債インデックス(WGBI)」に9月末から組み込まれたことは、ポジティブな材料と考えられます。

これに伴ない、従来よりも多くの投資家が同国債に注目するとみられ、同国への資金流入を支える可能性があります。

(2012年10月11日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。

→「フォローアップ・メモ」