「トクホ」は病気に効く? 「トクホ」の本当の意味とは?

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50代後半男性のビジネスパーソンAさんは、少々メタボな体型で、血圧高め。

毎年、健診で高血圧と指摘されながらも、元来の医者嫌い。

多忙を言いわけに病院を避けてきました。

そのAさんが頼りにしているのが、血圧を下げる機能があるというトクホ。

「トクホ」が「特定保健用食品」の略であることはご存じの方も多いと思います。

登録にはまず、企業が安全性、有効性データをそろえて、国の審査を受ける必要があります。

さらに、国側が全国6カ所の検査機関で行う試験でも有効性が確認できれば、「体脂肪が気になる方に」「食後の血糖値が気になる方に」といった、身体への機能に踏み込んだ表示ができるという制度です。

2012年8月31現在、1,013品目がトクホに許可されています。

トクホの食品には、乳酸菌由来の成分やゴマ由来の成分が含まれているものなど、様々なものがあります。

「(上の血圧が)190mmHgまではトクホで頑張る。

医者に行くのはそれからだ」というのが、Aさんの主張。

「食品」であるトクホに、そんな効果があるのか、家族の疑問はつのるばかり。

しかしAさんは譲らず平行線のまま。

さて、トクホはAさんの期待に応えてくれるのでしょうか。

簡単に言えば、トクホは医薬品では当たり前に書かれている「効果効能」をもち、それを広告で訴求することができる食品のこと。

例えば、「体に脂肪がつきにくい」という効能を持つお茶がありますね。

それらはいずれも、「ウーロン茶重合ポリフェノール」とか「高濃度茶カテキン」などの成分が含まれています。

脂肪燃焼や脂肪排出を促進する成分ですが、通常のお茶よりも人工的に多く含まれるように開発された食品なのです。

ちなみにこのお茶トクホは、「コントロール」と呼ばれる一般の飲料と比較して、効果を証明しています。

お茶以外も含め、現在認められているトクホには、整腸作用、カルシウムの吸収促進やコレステロール、血圧、血糖、中性脂肪、体脂肪などのメタボ予防関連などがあります。

一定の健康効果があるトクホですが、では、冒頭のAさんのようにトクホに頼りっぱなしの使い方は果たして正しいのでしょうか。

トクホには一見、「病気」に効くようなイメージがありますが、実は、一切「病名」は書かれていません。

ここが誤解されやすいところです。

前述した「脂肪が体につきにくい」お茶も、「脂質異常症(高脂血症)」の病気に対する治療効果があるわけではなく、Aさんがとっている血圧対策トクホも、「血圧が高めの方に」適していても、「高血圧症」という病気と診断された方が対象ではありません。

トクホは「効果」はうたっていても、医薬品ではありません。

その対象はあくまで健康な人(グレーゾーンの人を含む)なのです。

いかがでしょう? トクホについて、これまで誤解していた方もいらっしゃるのでは? Aさんもご家族の意見を聞き入れて、早く病院を受診してくれればよいのですが。