東日本大震災で福島第一原発事故が起きて以来、各地で小規模ながら起きていたデモですが、今年に入ってからは勢いを増し、今では何万という数の人が毎週官邸前デモに参加するようになりました。他にも全国各地で毎週金曜日にデモが行われており、国民が今までにないくらい政治に関心を持っていることがわかります。

 朝日新聞が行った世論調査(2011年12月30日付朝刊)によれば、「震災後、世の中の役に立ちたいという気持ちが強くなった」と思った人が71%、「デモに政治を動かす力があると思うか」という質問には44%の人が「ある」と答え、20代は50%がそう答えています。また、「今の政治に任せておけばよい」という人はわずか3%でした。この状況を私たちはどうとらえていくべきでしょうか。

 書籍『社会を変えるには』は、現代の日本に生きる人々の意思をどのようにして反映させるべきなのか、またなぜ民意と政治がかみ合わなくなってしまうのか、そもそも今のようなシステムはどのように形成されていたのか、といった内容が明確に記されています。投票をして、議員や政党を選んで、法律を通していくことが政治に参加するということでした。それは多くの人が同じように考えていることだと思われます。ですが、この仕組みには限界が来ていると筆者は言います。また、構造が変わりつつあるにもかかわらず、変わらずにいれば、国自体が完全に機能しなくなってしまうとも示唆しているのです。

 "2000年代以前は、政治家や官僚や大企業は汚いことをするかもしれないけれども、有能だから任せておいても問題ないと思われていました。日本の仕組みが不合理だと思っていても、あきらめて無関心でいても大丈夫だと考えられていました。しかし2011年には政治家にまかせておけばいいと考える人は、3%ぐらいしかいなくなりました"(本文より)

 現在永田町でも様々な動きが起こり、政治にはまた新たな流れが起こるでしょう。そのなかで私たちが関心を深め鋭い視点を持つために、日本の抱える問題を浮き彫りにし分析した本書を手にとってみてはいかがでしょうか。



『社会を変えるには (講談社現代新書)』
 著者:小熊 英二
 出版社:講談社
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