担当M(以下M):日本代表のヨーロッパ遠征があります。フランスとブラジルと対戦するというのは、気が早いかもしれませんが、ワールドカップ本大会でどこまで行けるかという試金石にもなると思います。

ラモス(以下R):本大会ではグループリーツの組み合わせ次第ですけど、僕はこのままのチームで出場したら前回以上の成績を挙げるのは難しいかもしれないと思いますね。

M:前回の南アフリカワールドカップでは、大会前の成績があまりよくなくて期待されていなかったのにベスト16進出でした。今回は海外組も増え、経験を積んでいるのでさらに上を目指せるんじゃないかと思いますが……。

R:いいグループの組み合わせに当たれば問題はないですよ。だけど試すべきことはもっとたくさんあります。メンバーとか。

M:スタートのメンバーが固定化されていて、旬の選手を試していないという声もあります。

R:うーん、僕はその点についてはザッケローニ監督の考え方が理解できます。だって勝っているのだから。そういうときに選手を入れ替えるとチームのリズムって崩れてしまうものなんですよ。

M:ではどうやってバリエーションを作っていけばいいのでしょうか。

R:僕はサブの選手をもっとうまく利用するべきだと思いますね。呼んだら使う。たとえ時間が短くてもね。イラク戦では、たとえば岡崎(慎司)は途中で交代させてよかった。決勝点のアシストはしたし、裏を狙う動きは鋭かったけれど、次第にプレーがワンパターンになっていたから。そういうとき、タイプの違う選手を入れることで相手も混乱します。あるいは本田(圭佑)をあえて交代させるとか。マンツーマンで相手がマークしていたから。

M:それは味方も驚く交代でしょうね。

R:でも、イラク戦での本田は後半にチャンスを2回作ったけれど、それまでは良さを出していなかった。トップ下を任されているのなら、その程度の活躍じゃダメです。

M:マンツーマンのマークを引き連れてスペースを空ける動きをしていましたが……。

R:本人もそれだけじゃ満足できなかったでしょう。

M:確かにミックスゾーンでもゴールできなかったことが不満そうでした。

R:他にも考えておいたほうがいいことはありますよ。

M:ではそれについては次回にお願いします。