不動産アドバイザーに聞く。契約前に読む「重要事項説明書」のポイントとは

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部屋を借りる契約をする前に、宅地建物取引主任者から説明された「重要事項説明」を覚えていますか? その書類、保管していますか?貸し主と借り主の間で物件をめぐるトラブルになったとき、借り主が、「そのような説明は受けていない」、「どこにそんなことが書いてあるの!?」と主張し、大きな問題に発展してしまうケースが多々あると聞きます。

「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者の穂積啓子氏に詳しいお話を伺いました。

■重説は、「契約前」に「宅地建物取引主任者から受ける」穂積さんはまず、重要事項説明とは何か、についてこう話します。

「賃貸住宅に入居するとき、あるいは宅地や建物を購入するとき、借り主、購入者は必ず、契約前に宅地建物取引主任者から『重要事項説明書』を受け取り、口頭で内容の説明を受けます。

これは、宅地建物取引業法という法律で定められています。

略して『重説(じゅうせつ)』とも呼ばれます。

賃貸住宅での重説とは、賃料・共益費・支払方法などの賃貸条件、貸し主がどこの誰であるか、水道・電気・ガスなどライフラインの整備状況と支払方法、建物や部屋の設備、ペット飼育や楽器に関する禁止事項、解約時には○カ月前までに通知が必要、退去時の原状の復帰について、解約時の敷金または保証金の精算時期と方法など、物件の内容、現状、取引の条件について説明することです」続いて穂積さんは、「この重説について、特に引っ越しビギナーが知らない点が2つある」と言います。

「重説の方法として業者が守らなくてはいけないのは、『契約する前に行うこと』と、『宅地建物取引主任者の資格を持つ者が、その資格証を借り主に提示して行うこと』です。

仲介業者が、契約が決まった後で重説を行うとか、資格を持たない営業担当者が行うのは違法です。

でも、学生や引っ越しに慣れていない人は重説を理解されていない、ましてや、そのような規定があることはほとんどご存じないわけです。

それをいいことに、業者は、重説の重要性についてよく説明しないまま、早く契約したいがために適当に書面を棒読みして契約書に印鑑を押させる、ということも世間ではよくある事例です」それが後々、どういうトラブルになるのでしょうか。

「賃貸住宅の場合、最も多い例としては、『入居者が退去するときの解約通知をいつするか』ということです。

一般的に、借り主側は1カ月前に通知することになっていますが、今日通知して3日後に解約したい、という人は後を絶ちません。

次に、ペットの飼育、楽器の所有、など禁止事項を無視した、などです。

違反だと判断された場合、退去通告を受けてしまうこともあります。

3番目に、敷金または保証金の返金時期についてです。

退去時と同時に返金があると思っている人が多いのですが、一般的には、退去完了後約1カ月後になります。

これらの点は、重説の際に重々注意をして確認しておきましょう」(穂積さん)重説を受けた覚えがないときは、どうすればいいのでしょうか。

「実際には、借り主が重説を受けました、という覧に印鑑を押すかサインをしていて、書面が残っているケースが9割を占めます。

借り主は、重説については印象が薄く忘れていた、契約書は保管しているが重説はもう不要だろうと捨ててしまうことが多いのです」(穂積さん)どう対策すればいいのでしょうか。

「大切なのは、『本当に契約をするかどうかを決定するのは、 重説を受けてからよく考えること』です。

内見のときにいいところばかりが見えてその物件にしようと思っても、敷金の返金率が低すぎるとか、物件広告の記載事項と違う点がある、禁止事項が希望と合わない、などということがあれば、重説を受けるときに事実をしっかりと確認してください。