高速トリビア (36) 橋梁の”影の主役”--「支承」と「ジョイント」

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橋梁を構成する部材の一つに「支承」があります。

橋梁は、温度変化の影響による主桁や主構(上部構造)の伸縮を吸収したり、耐震性を向上するために、上部構造と橋台及び橋脚(下部構造)を、変形を吸収する部材を介して支持するのが一般的です。

この部材を支承と呼び、回転や伸縮のような上部構造の変形を吸収して、荷重を下部構造に伝達する役割を果たしています。

また、「ジョイント(伸縮装置)」は、橋梁の端部に設置する伸縮を考慮した隙間です。

これも橋の温度変化による伸縮を調整するための部材で、車両のスムーズな走行を促します。

地震発生時には、高速道路の路面だけではなく、このような支承やジョイント部分が壊れることがあります。

支承が破壊した場合、代替えとして上部構造と下部構造の間に仮受架台を設置します。

支承が壊れていると、大きな余震が発生した際に橋梁のずれを制限することができず、大きな段差のような有害な変形が生じてしまう場合があります。

このため、仮受架台を設置して対処します。

ジョイント部が壊れた場合には、その部分に舗装合材を入れて平坦性を確保します。

仮受架台、ジョイントの復旧が完了すると、緊急車両や一般車両の通行が可能となります。

壊れた支承やジョイントは、補修工事または取替工事を行います。

地震動によらずとも、支承は常時においては全ての死荷重を支えながら、活荷重や温度変化による移動・回転を繰り返すという非常に過酷な部材である上に、地震時においては、地面の揺れは、ほぼ支承を介して上部に伝えられるため、橋梁の部材の中でも最も衝撃を受ける部分となっています。

よって地震の影響を大きく受けるため、損傷例が非常に多い箇所です。

地震による衝撃を吸収しながら上部に伝えるのも支承の機能であるため、地震による上部構造の損傷のほとんどが支承で生じていると考えられています。

ジョイント部もまた、橋の伸縮を調整するという役割に見られるように、路面の変化の影響を大きく受けることから、損傷が多い箇所です。

橋梁においては、路面と、それを支える支承及びジョイントが揃って復旧して、やっと本復旧といえます。

橋梁の保全技術の向上を目指し、様々な工法や素材の開発が進められています。

NEXCO中日本が橋梁5協議会と『大規模災害時における応急復旧に関する協定』を締結するなど、今後も橋梁の維持・補修は、ますます必要かつ重要となっていくでしょう。