阪神タイガースはミネソタ・ツインズ=MINとの契約を解除した西岡剛、そしてニューヨーク・ヤンキース=NYYをFAになった福留孝介と契約間近だと言われている。

二人のここ2年間の数字を見てみる。

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彼らを元NPB選手だとはみなさず、単なる外国人選手のオファーだと考えた場合、どうなるだろうか。
内野手は27歳とまだ若いが、打力不足。MLBでは通用しなかったようだがAAAでも長打はあまり出ていない。
外野手は35歳とすでにベテラン。昨年はレギュラーだが成績は下降線。マイナーでも外野手としてはパワー不足。

この二人を外国人選手として雇うとすれば、NPB球団はいくら支払うのだろうか。せいぜい5000万円の1年契約が良いところではないか。

阪神は西岡剛にはMIN時代の3年1430万ドルを上回る契約を提示するという。MLBで12タコだった選手にである。福留にもDeNAが示したと言われる2年3億円に近い数字を出すと言われる。

その根拠は何なのだろう。西岡や福留が昔、MVP級の活躍をしたということだろうか。MLBでの実績を度外視して昔の数字を評価しているのだろうか。

二人はMLBで確実に年齢を取っている。また故障も幾度となく経験している。そしてここ2年に限れば不振である。さらに言えば、統一球の導入によって、NPBの野球は西岡、福留がいた時代からは大きく変化している。
昨年、好待遇で松井稼頭央、岩村明憲を迎えた楽天の失敗を教訓にすることはなかったのだろうか(松井はその後立ち直ったが)。

福留に対して古巣の中日は阪神よりもかなり低いオファーをしたと言われる。リスクを考えれば当然のことだ。川上憲伸に対しても中日は3000万円を提示したと言われている。
阪神はFAになる鳥谷敬との延長契約を済ませていると言われる。ポジションが重なる西岡はどう処遇するのだろう。

こういう報道を見ていて思うのは、阪神のフロントはやっぱり「素人くさいな」ということだ。本来であれば、自軍の攻守の弱点を見極めて、そこに予算に応じた補強をしていくべきだ。また獲得を検討する選手についてはフィジカル、メンタル面のチェックをし慎重に獲得を検討すべきだし、契約額もそれに見合った金額を提示すべきだ。

阪神は来季、クローザーがいなくなる可能性がある。榎田は早くも使いものにならないかもしれない。救援投手の頭数が必要だ。それ以上に急務なのは、シーズン通じて使える捕手の確保だ。さらに言えば、リードオフマンも確定できていない。

こうした補強ももちろん考えてはいるのだろうが、大物選手が動くと聞くと、札束を持ってすぐに駈け出してしまう。「何せ、ふたりとも“洋行帰り”で“有名選手”やから」という声が聞こえそうだ。

中村新GMは玄人のはずだ。本当の補強とは何なのかを素人経営陣に説明すべきだと思うが。