「『死にたい』が口癖です。1日に9回は呟きます」

 そんなインパクトある受賞の言葉を残したのは、24歳の最年少で第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞した菅原和也氏。

 高校中退後、和食屋でアルバイトをしながら調理師免許を取得、19歳の時に上京すると、上野のピアノバーでバーテンダーとして勤務。しかし、アルコール中毒になりかけ退職。その後、都内のキャバクラでボーイとして働く......。

 最年少受賞、口癖、経歴、どれに注目していいのかわからなくなる程、特徴の多い菅原氏。そんな彼が作り上げた作品もまた、異色だといえるでしょう。

 SMバー「ロマンチック・アゴニー」でM嬢として働くミチは、アルコールと薬に溺れる毎日を過ごしていました。とあるきっかけで再会した幼なじみ・タミーから「地獄へ堕ちよう」というサイトの存在を教えられる。そのサイトには、赤黒い血の色や鉛色の肌でうけ尽くされており、大量にあるそのすべては死体でした。サイトに登録し、指定された相手を殺害すると報酬が与えられるというもの。そんな「地獄へ堕ちよう」に出会ったミチは、残酷なゲームに巻き込まれていくのです......。

 異常な程に細かく描写されたアンダーグラウンドの世界に、筆者特有の雰囲気が相まって、妙に説得力のある作品となっています。痛くてグロい、まさしく「地獄」を感じる同作ですが、どう物語は締めくくられるのでしょうか。



『さあ、地獄へ堕ちよう』
 著者:菅原 和也
 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
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