松下幸之助や本田宗一郎が成功できた要因とは?

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 ヒトは脳内の回路に備わっている、快感を求める不思議なしくみのはたらきで、積極的、能動的、主体的にものごとを考え、それを言葉にし、具体的な行動に移している。
 つまり、何をどう考え、どのように感じるかは、脳にかかっているのである。そのため必要なのが「健康な脳」だ。

 『脳にいいこと、悪いこと』(生田哲/著、ソフトバンククリエイティブ/刊)では、どんな脳が健康なのか、どうすれば健康な脳を獲得できるのか、健康な脳をさらに鍛え、守るにはどうすればよいのかを、最新の脳科学の成果を踏まえて提案していく。

 有意義で幸せな人生を送るために必要な「健康な脳」。では、どんな脳が健康な脳といえるのだろうか。脳は、知性のほかに運動機能や生理機能もつかさどっており、それらの全てが健全であることが健康な脳といえる。本書では、その中で「高い知性」をもった脳、すなわち「頭がいい」ということについて考えている。
 頭のよさを表現するものとして、知能指数(IQ)がよくあげられる。IQはペーパーテストで割り出した精神年齢を実年齢で割り、100をかけたものだ。
 しかし、しょせんは筆記試験。知能全体の程度を正確に表すことはできない。知識の質や量はIQテストでわかるが、実社会で生き抜いていくのに大切な「新しい状況に対応する能力」を測定し、数値化することは難しい。勉強ができて一流大学を卒業して大企業に就職した頭のよい人が、実社会で活躍するとは限らないだろう。
 この理由の1つは、「新しい状況に対応する能力」が不足しているからだ。
 例えば松下電器(パナソニック)を創業した松下幸之助やホンダの生みの親である本田宗一郎は、勉強のできる子どもではなかったが、事業を起こし、人々のニーズに的確に応え、社会に貢献した。
 彼らは「新しい状況に対応する能力」がずば抜けて高かったことが、成功を収めることができた要因の1つといえる。
 
 著者の生田氏は、ある5つの能力をバランスよく備えた脳が「健康な脳」であると考えている。その能力とは、新しいことを学習し、記憶し、理解する能力である「学力」、物事を考える「思考力」、これまでに学んだ事柄にもとづいて今後のことを予測する「想像力」、新しい環境に対処する「順応力」、善悪を判断する「判断力」の5つだ。この5つの能力を備えた健康な脳と幸運に恵まれれば、私たちは人生で成功するのだという。

 なんとなくはわかっていても、私たちの脳が具体的にどのような働きをしてくれているのか理解できている人は少ないだろう。本書を通じて脳科学の世界を、覗いてみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)