不動産アドバイザーに聞く。引っ越しビギナーの賢い部屋探し術

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初めて一人暮らしをするとき、部屋探しに慣れていない場合、不安と期待が入り交じる中で何をどう具体的に準備すればいいのでしょうか。

「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者 である穂積啓子氏に、そのポイントを伺いました。

■部屋探しの目的を明確にし、条件をリストにする穂積さんはまず、次のように想定することを勧めます。

「部屋を探すときは、『何のためにその部屋を使うのか』を整理しましょう。

例えば、通勤の利便性のため、前の部屋が狭くなったので少し広くしたい、○○駅から徒歩10分以内でペット飼育希望、など、具体的に想定すると考えがまとまっていきます」次に、「もっと絞り込んだ細かい希望条件を書き出すようにします」と穂積さんは、下記のことをリストにするようにアドバイスします。

1)何のために引っ越しするのか……目的。

2)住みたいエリア……最寄り駅の候補。

3)駅から徒歩○分まで。

4)共益費を含む賃料の予算。

敷金・礼金の条件。

5)マンション、コーポ、UR賃貸など、住宅の形態。

6)築年数……築5年までなど。

7)部屋の広さ……約20?、50?〜60?など。

8)部屋の間取り……ワンルーム、2LDKなど。

9)部屋の設備……オートロック、バストイレ別など。

10)部屋の方角……南向きなど。

11)環境……静かな住宅街、繁華街近くなど。

12)そのほかの条件……ペット可、楽器可など。

「リスト化することで不動産屋へ条件を分かりやすく提示することができますし、気持ちの整理もできます。

この項目はどうしよう……と迷うことがあれば、『考え中』とか、『アドバイスが欲しい』などと記しておくとよいでしょう。

このリストを持って不動産屋を訪れてください」(穂積さん)不動産屋に行く際の心構えはありますか。

「自分の希望を明確に伝えることです。

そして、不明点は必ず、その時々で質問をしましょう。

緊張しやすい人は、リストを渡すとよいでしょう。

また、1件の不動産屋だけ、部屋を1件内見しただけで決めてしまわないことです。

ビギナーは過去の失敗がないだけに情報を持っていないもの。

1件目で良いと思ったとしても急いで決めずに、最初はできるだけ複数の物件を見て、選択肢(し)を広げ、自分の『部屋を見る目』を養っていきましょう」(穂積さん)■希望条件を自己コントロールできるかどうかが肝目移りして選べなかったり、予算と希望が合わないこともあるでしょう。

そんなときはどう考えればいいでしょうか。

穂積さんはこう続けます。

「家賃が3万円、新築、渋谷駅から徒歩5分以内、高層階、バスとトイレは別、浴室乾燥機が付いている、おしゃれで……」と、引っ越しに慣れた人ならあり得ないと分かる条件でも、ビギナーさんは、「あるかも」と思うことが多いようです。

予算がふんだんにあるなら希望の条件通りの部屋を見つけることができるかもしれませんが、たいてい、そうは行きません。

やはり決断は予算との勝負になり、「譲れない条件は何か」かつ「どこを妥協するか」が、部屋探しの最大にして最後のポイントです。

『間取りにはこだわるが、バストイレ別はあきらめよう』、『30?は確保したい。

駅から遠くてもいいことにしよう』など、いい部屋に出会うためには、希望条件を自己コントロールできるかどうかが肝心です」来るべき新生活のイメージをできるだけ具体的にふくらませ、その状態に近付くように行動を起こす。

物件を複数見ながら現実としてのイメージをかためていき、あきらめないでねばることが賢い部屋探しのポイントです。

監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。

宅地建物取引主任者。

その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た! 〜部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子 東京書籍 1,155円)に描かれました。

同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。

(藤井空/ユンブル)

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