先日、文化庁の国語世論調査で「にやける」が「なよなよしている」という本来の意味で理解している人が20〜30代の間で1割程度であるということがわかりました。言葉の意味や漢字の読みは、周りの人達からの影響が大きいもの。

 そこで問題です。中華屋さんのメニューで「杏仁豆腐」があったらなんて読みますか? 

 実は「アンニンドウフ」は間違いで「キョウニンドウフ」が正しいのです。

 『杏仁豆腐はキョウニンドウフが正しい! 大人が読み間違うと恥ずかしい漢字』を執筆した根本浩さんは現役の高校教師。教師の目線で見る「国語(=日本語)」とはどういうものなのか、お話を伺いました。

 ――今回の著書は語呂を使って漢字の読みを改めて知る、というのがテーマになっていますが、普段どのようにして語呂を思いつくのですか?

 そうですね、今回は「語呂」と「大人が読み間違う」ことがテーマになっています。大人になれば、ある程度読みの知識は持っているだろうということで、読みの一文字を強調させるような語呂あわせにしました。たとえば「目深」だと「めぶか」とは読めるだろうから本来の読みである「まぶか」の「ま」に注目してもらう、といったようにです。

 ―― 一つに注力して、ということですね。現役の高校教師ということですが、本書に出てくる読み間違えやすい漢字は、同じ教師の方などから感じることもあったりするのでしょうか。

 それもありますが、自分自身が読み間違えやすいと感じたものも入っています。あとは、通信制の学校で教えていることもあり、年配の生徒も多く、10代から70代まで幅が広い。既に社会に出ている方が半数以上はいて、そのなかで実社会に役立つ漢字を正しく読めるのは重要だなと感じて取り入れたものもありますね。

 ――では、この本を出そうというきっかけは生徒さんから頂いている?

 そうですね、教えているなかで自分自身のなかで高まってきたというのはありますね。以前執筆した『書けない漢字が書ける本―語呂合わせで覚える超難解書漢字』(角川SSC新書)の、これも語呂合わせが前面に出ているものですが、これを刊行してから3年ほど経っているのもあって少しずつ構想が確立されたというのはあります。

 ――通信制では、実社会に重点を置いて授業をされているのですか?

 はい、個人的な感触ですが、やはり通信制の場合、生徒が興味を持つのはどう実社会に役立つかということ。漢字の読みなどでつまずいてしまったら恥をかいてしまいますので、受験のノウハウよりはそちらを優先しています。同じように、既に社会に出られている一般人の方も、漢字をひとつ読み間違えると信頼度が落ちてしまう。年を重ねたり、権力を持てば尚更。そういう意味では年齢に関係なく、多くの大人に読んでもらいたい一冊ですね。

 「正しい漢字が読めないのはチャック半開きで歩いているようなもの」と言う根本さん。会議で、取引先で間違えてしまう前に、漢字への正しい理解を深めてはいかがでしょうか。


≪プロフィール≫
■根本 浩(ねもと ひろし)
1973年生まれ。現役の高校教師。生徒と触れ合うなかで生まれた本もあり、『歌を読む詩集』は全12巻にもなる人気シリーズとなった。児童向けの本も執筆し『根本式語呂合わせで覚える難読漢字』シリーズなど幅広く活躍している。



『杏仁豆腐はキョウニンドウフが正しい! - 大人が読み間違うと恥ずかしい漢字 (中公新書ラクレ)』
 著者:根本 浩
 出版社:中央公論新社
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