スティーブ・ジョブズが亡くなってから、10月5日で1年がたちました。偉大な人の死は、その知らせを受けたときの記憶を人々にしっかりと残すもの。追悼の思いをSNSでつぶやいたり、アップルストアに飾られたジョブズの写真に胸を締めつけられたり、1年前のこの日を覚えている人も多いでしょう。

 最初で最後の公式伝記『Steve Jobs』を書いたウォルター・アイザックは、「自分が残した遺産」について話すジョブズの言葉をこう証言しています。

 「私たちは皆、歴史の流れの中で生きている。私たちは先人から恩恵を受けている。先に生まれた人々が発明したものを使い、食べ物や洋服があるのも彼らのおかげだ。同じように、私たちも歴史に"何か"を残さなくてはいけない。私たちが作ったもののおかげで、後年の人々が恩恵を受けるようなものをね」

 これは、死後放送されたNHKスペシャルのインタビューをもとに書かれた『Steve Jobs Special ジョブズと11人の証言』に収録されているもの。アップルの共同設立者であり親友だったスティーブ・ウォズニアックや、ジョブズをアップルから追放したジョン・スカリーなどが語る等身大の彼の姿があります。

 がんの宣告を受けたときは、「少し自由になった気がした」ともアイザック氏に話していたそうです。「いつかは死ぬのだと認識することが、人生を情熱的に生きるベストの方法だ。他人のルールに従わなくちゃいけないなんて思わなくなるし、抑制された気分がいっさいなくなるんだ。だって、自分が本当に信じることだけをすればよくなるんだからね」とも。まわりの予想に反して、闘病後も厳しい性格が丸くなるようなことはいっさいなかったというジョブズ。

 先人たちへの敬意をもって、優れた技術に人間性を吹き込むことによって革新的なプロダクトを生み出していった天才。56歳という若さでこの世を去りましたが、彼のDNAは多くの人に受け継がれ、明るい未来を照らす光となっているはずです。



『Steve Jobs Special ジョブズと11人の証言』
 著者:NHKスペシャル取材班
 出版社:講談社
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