日韓スワップ協定:韓国社説「日本の『要請ないなら中止』を多くの韓国人は『頭を下げて出直せ』と解釈した」

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日韓通貨交換(スワップ)協定の拡充策延長が、打ち切りとなる可能性が高まっている。財務省幹部が明らかにしたところによると、韓国は10月末で期限を迎える拡大措置の延長要請をしていないのだという。

NHKなど日本のメディアが報じると、韓国のメディアも相次ぎこれを取り上げた。日本側は「要請がなければ中止」としているので、韓国側が要請をすれば延長されるようだ。だが国のプライドや国益が複雑に絡み合っているのか、韓国政府は今のところ何の見解も示していない。

このような中、韓国メディア「アジア経済」は4日付の社説で、「日韓通貨スワップ延長騒動」と題し、今回の問題について取り上げた。

社説は、スワップ拡充延長に対する日本の方針について、「独島問題で火が付いた日韓外交葛藤が、経済分野にまで広がる可能性が高く残念」と非難。拡充策が延長中止になった場合について、「昨年10月に追加された上限570億ドルが130億ドルになる。日韓通貨スワップは、国際経済危機の中で保有外貨が不足する場合に備えた安全策だが、東アジアの通貨・金融協力の象徴でもある。東アジア全体の経済協力の枠組みが壊れる可能性もあるということだ」と指摘した。

また、日本側が「要請がないなら中止」としたことについては、「多くの韓国人は、日本の態度を『先に頭を下げて戻ってこい』という意味で受け止めている」とし、「これによって両国の民族感情が経済分野にまで広った場合は、政策や産業など様々な分野が萎縮する可能性がある」とした。

もちろん、非難の矛先は韓国政府にも向かった。「日韓通貨スワップ拡大措置は、韓国政府の要請によって結ばれたという日本政府の説明は合っている。韓国が通貨スワップを延長するのか、中止するのか決定しなければならない。これまでの政府の反応は、『外貨保有額の規模をだけを考慮するなら延長しなくても特に問題はないが、日韓通貨スワップが持つアジアの金融協力強化という象徴的な意味は大きい』というものだ。つまり結論が出せていない。だからといって、日本の高姿勢を恨んでいるのではない。終了まであと1カ月しかない現在も延長を行うかどうか、延長する場合の改善方法を決定できない韓国政府の怠惰がもっとも大きな問題だ」とし、態度があいまいな韓国政府を非難した。

一方、メディア「NEWSis」は4日、韓国企画財政部の関係者に今回の問題について電話でインタビューを行ったところ、「今月末までまだ時間は余っており、すべての可能性について検討中」「明日(5日)にはパク・ジェワン長官が関連事案について言及する可能性は高い」と話したと伝えた。韓国政府の出方に注目が集まる。

参照:アジア経済
参照:NEWSis

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