村上春樹が新聞勧誘員を一発で撃退した方法とは?

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現在発売中の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして「村上春樹」をピックアップ。村上作品に登場する東京スポットや食べ物、不思議な女の子たち、独特の形容表現など、村上春樹にまつわるありとあらゆる情報を紹介している。今回取り上げるのは、村上作品にしばしば登場する「新聞」について。作中でベッドや時計がわりにもなった新聞の汎用性とは?

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村上作品には、食べ物、お酒、音楽、家具、アイロンやタバコといった小物など、作品の鍵となるものが数多く登場する。毎朝届けられる新聞もその1つ。『羊をめぐる冒険』の黒服の男は、毎日全国紙全部と地方紙8紙、さらに日曜版までも愛読し、『海辺のカフカ』のカフカ少年は、自分の父親の死と、中野にアジとイワシが降ってきたというニュースを、同じの日の朝に新聞で知る。

さらに、『風の歌を聴け』の「僕」は、朝日新聞の日曜版の上で初体験をし、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の「私」が持ち帰った箱には、2週間分の毎日新聞に包まれた一角獣の頭骨が入っていた。そして、世界が終わってしまうまでの「36時間」を「朝刊が2回と夕刊が1回配達される」時間だと換算。時の経過を想像させるものとして、新聞が登場する

そんな村上は、『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』を読むのが新聞を買う喜びと語っており、先日には、朝日新聞に領土問題に関するエッセイを寄稿している。しかし、かつては村上は、新聞勧誘員が自宅を訪れた際、「かんじあんまりよめないから、しんぶんいりません」と演技をして、勧誘員を一発で撃退したことがあるそうだ。

◆ケトル VOL.08(8月10日発売/太田出版)