ベテランFPが”こっそり”教える、知ってトクする保険の話 (7) 「先進医療特約」ってつけるべき?

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最近の医療保険やがん保険についている「先進医療特約」。

いまやこの特約がついていないと保険が売れないとまで言われています。

一般的には、先進的な技術が開発されると生産性がアップしてコストが下がるイメージがありますが、医療の世界ではその反対に、私たち患者の医療費負担が重くなる印象を抱きます。

今回は、医療保険やがん保険についている「先進医療特約」について考えてみます。

最近の医療保険やがん保険につけることができる「先進医療特約」は、先進医療を受けたときの技術料を実費で保障するものが主流です。

「先進医療」とは、厚生労働大臣が承認した高度な医療技術を使った治療方法のことで、実施する医療機関も限られています。

平成24年9月1日現在で医療技術の種類は103種類、実施している医療機関は969件(第2項医療技術65種類・605件、第3項医療技術38種類・364件)です。

つまり、技術も医療機関も限られているため、私たち患者が先進医療を受けるには、実施しているところに足を運ばないといけないことになります。

がん保険のパンフレットなどによく記載されている「陽子線治療」を行っている医療機関は千葉県、兵庫県、静岡県、茨城県、福島県、鹿児島県、福井県にそれぞれ1つずつ。

全国で7件です。

同じく「重粒子線治療」は千葉県、兵庫県、群馬県の3件(平成24年9月1日現在)です。

ただ、全体として実施医療機関の数は増えており、平成23年度は平成19年度の4割増となっています。

先進医療に関する費用は健康保険の対象外です。

通常の治療と共通する診察、検査、投薬、入院等の費用は健康保険の対象なので、医療費の一部を自己負担すればすみますが、先進医療部分はすべてが患者の負担になります。

また、「高額療養費制度」という自己負担を抑える健康保険の仕組みも、先進医療では使えません。

「では、先進医療の費用は非常に高額になり、自己負担が重くなるのか?」というと、実際にはすべてが高額になるわけではありません。

医療技術によっては数万円程度ですむ場合もあります。

しかし、先に触れたがん治療で使われる「陽子線治療」は1件平均約270万円、「重粒子線治療」では1件平均約300万円もの高額になります。

先進医療の保障は、医療保険やがん保険に「特約」として付加するものですが、保険料は月100円程度アップするだけ。

わずかな負担で、高額になるかもしれない先進医療の費用をカバーできることが、人気の理由なのでしょう。

このことは、実際に先進医療を受ける確率はとても低いことを示しています。

しかし、少ない負担で大きな保障を得ることこそが「保険」の本来の役割。

その意味で、先進医療特約は「保険らしい」ということができます。

先進医療を受けたときに保障される金額には上限が設けられています。

保険会社によって異なりますが、通算して「1,000万円まで」や「2,000万円まで」などのようになっています。

技術料の累計が上限額に達すると、この特約は消滅し保障はなくなります。

保険期間も保険会社によってマチマチ。

限られた期間だけ保障する「定期」と一生涯保障する「終身」の両方を取り扱っている保険会社もあれば、定期だけの会社、終身だけの会社もあります。

医療保険やがん保険の保険期間が終身の場合は、それに付加する先進医療特約も終身のほうが、途中で保険料がアップすることもなく、安心でしょう。

また、先進医療を受けたときに受け取る給付金の払われ方も、保険会社から医療機関に直接払われるタイプ、あるいは、患者がいったん医療機関に支払ったあとで保険会社から患者本人に支払われるタイプがあります。