センター試験出願開始! 安定志向をベースに多様化する今どき大学選び

写真拡大

2013年度のセンター試験の出願スタート。

本格的な入試シーズンへ向けての助走が始まった。

長引く不況の影響等から、安定・内向き志向と言われる近年の受験生。

ベネッセコーポレーション高等教育研究所の村山和生氏は、今年も同様の傾向としながらも、大学選びの多様化についても指摘している。

そこで同氏に、センター試験の予測データや現場での実感を踏まえ、今どきの大学選びの傾向を分析して頂いた。

2013年度は久しぶりの18歳人口の増加(対前年でおよそ6万5千人増)により、センター試験の出願者数も増加が予想されている。

また学部別では、引き続き理系学部は志願者増、文系学部の志願者はあまり増えないとの予想。

近年続く受験生の理系志向について、村山氏は「理系の子ども自体の増加傾向」を指摘する。

理系増、文系減のわかりやすい例は、最近の進学校のクラス編成。

かつては文系クラスが半分以上を占める学校がほとんどだったが、現在では文系と理系のクラスが半々、あるいは理系クラスの方が多い学校もあるという。

「高校生の時点で、大学受験を理系に選択するようになったわけではなく、もっと前の段階の中高受験時から理系志向の子どもが増えている。

少し前まで“理系離れ”と言われていたのに何故?と思われるかも知れないが、文系では具体的な就職や資格がすぐには想起しにくいことや、法学部の進学先として期待された法科大学院の司法試験合格率も期待ほどには上がっていないなど、文系進学への不安を煽る要因になっている。

そのため理系の方が将来安定するのではという考え方が、中高受験の段階で芽生え、理系志向の高校生が増えていることが、今の理系人気の一番の要因。

この傾向はしばらく続くと予測される」(村山氏)■理系の傾向について村山氏は薬学人気に注目しているという。

「理系の人気が高くなりすぎ、同時にレベルも上がっているため、比較的受験のトライがしやすい薬学部に改めて光が当たったと考えられる」と分析するが、「ただし、薬剤師の供給量はすでに十分になる見込み。

資格を取得したからと言って、全員が研究職につけるわけでもない。

そういった状況をよく調べたうえで判断してほしい」とも。

また、医者志向の増加に伴い、歯学部の志望者も増えている。

天井感のある医学部よりも合格しやすく、具体的な資格もイメージできるという点が高い人気の理由だそう。

■文系の傾向について「文系も将来の就職を見据えた学部選びの傾向がある」と村山氏。

グローバル人材育成と言われるなかで、語学系統の志望者数が増えており、教育系も安定した人気。

一方で、人文系や社会科学系は比較的人気が低くなっている。

「特に社会科学系は受験生にとってしばらくはチャンスが広がる学部になると思われる」不況と言われる中、国公立大学は今年も非常に人気が高い。

だが注目したいのは、国公立志望者の伸びが都市部よりも地方で顕著であることだ。

「無理に首都圏や近畿圏などに出ず、自分の地元で勉強を進めていきたいという、広い意味での安定志向の表れ」(村山氏)一方、首都圏や近畿圏では以前にも増して「自宅志向」が顕著に表れている。

受験生、あるいは保護者が自宅からアクセスしやすい大学を選ぶ傾向が高まっているのだ。

「かつては郊外に広いキャンパスを持つのが大学のトレンドだったが、今後は立地の良さなど、受験生にとってのアクセスや利便性を重視する流れになると思われる」(村山氏)とはいえ、秋田の「国際教養大学」や大分の「立命館アジア太平洋大学(APU)」など、地方部にキャンパスを構える学生寮が充実した大学も注目を浴びている。