お花屋さんは儲かるのか聞いてみた!



駅前や商店街でよく見かけるお花屋さんですが、果たしてお花屋さんというのは、実際もうかる商売なのでしょうか? 今回は、業界の裏事情を知る某お花屋の店長さんに、お金の面での実情を伺ってきました。



■花屋さんはもうかるの?



――いきなりですがお花屋さんはもうかるのでしょうか?



正直な話、ピンキリですね。もうかっている所はもうかっていますし、もうかっていない所はもうほんっともうからないです。



――そのあたりはどんな業界でも変わらないということなのですね。ちなみに仕入れ値と売値はどうなっているのでしょうか?



私がこの仕事を始めたのは10年くらい前なんですが、そのころは3倍の値付けでしたね。いまは30円で仕入れたら60円、という風に、仕入れ値の2倍で販売している所がほとんどだと思います。



――3倍と聞くと、かなり高い印象を受けますね。



そうなんですけど、この業種は小さな店はもちろん、どんなに大きなところでも仕入れはほかの業者などに任せず、自分たちが市場に行ったり、生産者とお話をして買っています。なのでそういった手間や輸送代などを考慮すると3倍の価格をつけないと利益を出すことができないんですね。またお花は何日も日持ちしないので、そういったロスも考えるとやっぱり3倍は妥当な気がします。



――いまは2倍とおっしゃいましたが、その理由はなんですか?



流通技術の発達で、ロスがあまり出なくなったのが大きいですね。ロスが出ないというのが一番大事なので。仕入れた分をロスなく全部売る事ができればすごいもうけになります。



■もうかっているお花屋さんの売り上げはどれくらい?



――ロスを出さない事がもうけに直結するということは、もうかっている花屋さんはロスが出ない花屋、ということなのでしょうか?



基本的にはそうですね。もうかっているお花屋さんは顧客を持っている場合が多いです。例えば結婚式場などと提携している場合は、お花の必要な数がわかっているので、仕入れた分ロス無く売れていくわけです。



――なるほど! 結婚式場なら安定して注文もありますよね!



ほかにも、生け花の家元さんと提携している場合もあります。そういった場合は、その家元さんが教える授業で使う花はすべてひとつのお花屋さんから仕入れる訳ですし、生徒さんが使う花はすべて買い取りの場合もあるので、定期的に発注がある上にロスは発生しません。



――そのケースももうかりそうですね。そういった大口の顧客を持たない花屋で、もうかっているケースはありますか?



私が以前働いていたお店は、東京の中心地や、郊外沿線の各駅に何店舗もお店を構えるチェーン店だったのですが、ここは本当にもうかっていましたね。



――具体的にはどれくらいの売り上げがあったのですか?



中心地や駅前の人通りの多い所にあるお店の場合で、週末の2日間で約30万円ほどの売り上げでした。



――30万円!? それはすごいですね……。単純に毎週末30万円で何店舗もあると計算すれば……年間で数千万規模の売り上げになりますね。



もちろん全店舗が30万円という訳ではないですが、それでも10万円を下回ると上から怒られるレベルのお店ばかりだったので、相当売り上げていましたね。平時でも数万円は売り上げていましたし……。



――花屋さんでも、チェーン展開する規模になると売り上げもすごくなるんですね……逆に個人で経営されているお店の場合はどうなんですか?



ひとりで切り盛りしているお店の場合は、1日で2万円から2万5千円の売り上げがあれば十分というか安心できるラインです。個人的な見解ですが、その金額が"売れている"というボーダーだと思います。



■お花屋さんで最ももうかる方法とは?



――大口の顧客を持っている花屋さんや、大通りに面したチェーン店など、大きくもうかっているお花屋さんがある訳なんですが、それら以上にもうかる方法はありますか?



もうかる方法というか、ある大きなお花屋さんの話ですけど、そこは『お花の認定資格試験』というのを始めてものすごい利益を得ましたね。



――資格試験でもうけることができるんですか?



試験を受ける費用が3万円とか4万円で、全国の会場で何百人が受験する訳ですから、それだけでもう何千万ですよね。それを年に数回開催すれば何億の規模になります。主催側は会場を押さえたり試験官を雇ったりして資格を提供するだけですからね。当時、そこの講師をしていたんですが、利益は相当なものでしたよ。



――それはすごい話ですね……。とんでもなくもうけたいなら後発でもいいから資格を作れ、ということなのですね。



そうですね。でもそれ以降次々と資格が作られたという話は聞かないので、なかなか難しいんでしょうね(笑)。

■歓楽街にある花屋の秘密



――東京・新宿の歌舞伎町などの歓楽街には必ずと言っていいほどお花屋さんがあるんですけど、やはりもうかるのでしょうか?



以前、歌舞伎町のスタンド花屋で働いていたことがありますが、もうかりました。金曜・土曜日の2日間で数百万売り上げることもありましたね。



――それはすごい……あのお店に飾ってあるようなスタンド花はいくらぐらいするのですか?



私のいたお店は安さがウリだったので、ひとつ1万円ほどでした。その価格で、週末にスタンド花が100基とか出たりしたので本当にもうかっていたと思います。



――ちなみにスタンド花の原価はいくらぐらいだったんですか?



原価はひとつ数千円もかかっていないです。



――それがひとつ1万円ほどということは、かなり利益が出ていたのでは?



スタンド花は基本的に利益が出るものですが、スタンド花ひとつだけではやはり割高なので、いっぱい作って出すことで大きな利益になる感じでした。



――それで週末に100基も出るのなら確実にもうかる商売ですよね。



そうですね。なので私のいたお店は、水商売のお店が「花屋にそんな大きなお金を落とすのはイヤだ!」といって立ち上げたお店でした。なので相当もうかっていたんでしょうね。



――なるほど……そういう仕組みなら歓楽街にあるお花屋さんはつぶれることはなさそうですね。謎がひとつ解けました(笑)。



最近は不景気で水商売も以前ほど儲かってはいないそうですけどね。まぁお花屋さんにもいろいろあるということです(笑)。



さて、お花屋さんの生々しいお金の話がいろいろと聞けましたが、いかがだったでしょうか? もうかっているお花屋さんでは本当にものすごい金額が動いているようです。普段のどかな印象を受ける職種だけに、そのインパクトもひとしおでした。



(貫井康徳@dcp)